志望理由書対策

具体的・発展的な理由付けで差をつける

志望理由書の形式は大学によりさまざまです。訊かれることの大枠は他学部とそう変わりませんが、医学部受験における落とし穴は、「医学部」の特殊性ゆえに志望者の動機や目的がどれも似通ったものになる恐れがあること。なぜ医師になりたいのか、医師になって何がしたいのか、よりパーソナルかつ発展的な動機を自分の中に踏み込んで見つけ、きちんとした言葉で表現することで、大学側に「他者との違い」を印象づけましょう。またこの書類は面接の材料としても使われるものなので、面接対策と一貫性をもたせることが大切です。


「志望理由」には2種類ある

まずは質問内容を正確に把握すること。その上で、回答においては以下のことに注意しましょう。

なぜ医師になりたいのか?

医学部を目指すのは医師になりたいから。

……ここまでは皆同じです。

親や親戚に医師がいるから/後継者になるから。

……多くの医学部受験生が似たような環境にいます。またこれだけでは「本人の目的意識は無い」と言っているのと同じことです。

この先の踏み込みが重要です。

自分自身と向き合って、これまでの経験や育んできた問題意識について突き詰めて考え、自分なりの将来のビジョンにまで発展させましょう。具体例を入れることが望ましいです。

なぜ本学を志望するのか?

ここでも具体的な回答を心がけましょう。大学のパンフレットやHPを熟読し、魅力を感じるカリキュラムやキーワードを志望理由に組み込むのはもちろん、オープンキャンパスや大学出身者とのふれあいなど、直接の経験を通じて見出した「自分にとっての魅力」を自分の言葉で語れることが望ましい。「基本理念」や「建学の精神」などの丸写しはあまり意味がありません。また大学によって求める医師像に違いがみられるので、大学医療の現場である付属病院のHPも参考にして、研究しましょう。


「伝える能力」は医療の場において重要視される

医療現場において、「なぜ“本学”を志望するのか」という質問に対して「~~だから“医師”になりたい」と答えるような学生は不適格と言わざるを得ません。患者との対話においては「患者の不安や話の内容によって受けるダメージを想像し、患者が前向きに治療に取り組めるよう配慮する」能力が、同僚とのコミュニケーションにおいては「曖昧さを回避し正確に指示伝達を行う」能力が必須となるためです。この能力は、志望理由書に書かれる文章上に如実に表れます。言葉選びひとつで相手への伝わり方が変わることを意識し、客観的に見直しながら、自分の言葉を使ったわかりやすい文章で志望理由書を完成させてください。

また医師としての自分の将来像を表現するときには、必ず「患者にどのような利益をもたらしたいのか」を念頭におきましょう。


志望理由書を完璧に仕上げるための具体的指南

では、具体的にどのようにして志望理由書を作成するのか?

当サイトで提供している動画講座『面接対策講座』では、志望理由書と自己推薦書の違い、自分の過去・現在・未来をデザインする方法、文章構成などについてくわしく解説します。

また、「自分の考えを論理的に組み立て、相手にもっとも伝わるように述べる」という点で対策に共通性のある『小論文対策講座』も役立てて頂くことをおすすめします。

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医療系の各テーマを理解し、問題意識を育てよう

動機付けや、自分の考えに説得力をもたせるためには、現代社会や医療の課題についての理解が欠かせません。

以下にご紹介する動画教材では、医療系・看護&福祉系に特化した様々なテーマを解説しています。

現代医療を理解するために、また自分のなかで問題意識を育て、考えを深めるために役立ててください。

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