愛知医科大学物理2012年第2問

  • 問1.となり合うスリットの間隔が$d$の薄い回折格子シートがある。図1のように、波長$\lambda$の平行光線を回折格子シートに対して垂直に入射させると、それぞれのスリットから出る光は特定の方向で強め合い、遠くにあるスクリーン上に干渉縞を生じる。このとき直進する光を除いて、入射光の方向に対して最も小さい角度で強め合う光を1次回折光という。ここでとなり合うスリットから出る1次回折光の角度は$\theta_1$であった。
    aitiika-2012-physics-2-1
    1. となり合うスリットを通る1次回折光の経路差を、$d$、$\theta_1$を用いて表せ。
    2. $\sin\theta_1$を、$d$、$i$、$\lambda$を用いて表せ。
  • 問2.次に、図2のように、波長$\lambda$の平行光線を回折格子シートに対して入射角$i$で入射させたところ、1次回折光の角度が大きくなった。このときの回折角$\theta_2$であった。
    aitiika-2012-physics-2-2
    1. となり合うスリットを通る1次回折光の経路差を、$d$、$i$、$\theta_2$を用いて表せ。
    2. $\sin\theta_2$を、$d$、$i$、$\lambda$を用いて表せ。
  • 問3.図3のように、屈折率$n$の両面が平行なガラス板の右側に、となり合うスリットの間隔が$d$の薄い回折格子シートを取り付けた。そして波長$\lambda$の平行光線をガラス面に対して入射角$i$で入射させたところ、屈折角$r$で屈折してガラス内を通過し、回折格子によって1次回折光は角度$\theta_3$で回折した。空気の屈折率を$1$とし、ガラス板の厚さは、スリットの間隔に比べて十分に厚いものとする。
    aitiika-2012-physics-2-3
    1. ガラス内での光の波長を、$n$、$\lambda$を用いて表せ。
    2. $\sin{i}$を、$n$、$r$を用いて表せ。
    3. 屈折率$n$のガラス内を光が距離$L$進む時間に、屈折率が$1$の空間を光が進む距離(光学距離)を、$n$、$L$、$\lambda$の中から必要なものを用いて表せ。
    4. となり合うスリットを通る光の、回折格子の両側での1次回折光の光学距離の差を、$d$、$n$、$r$、$\theta_3$を用いて表せ。
    5. $\theta_3$を、$d$、$I$、$n$、$\lambda$の中から必要なものを用いて表せ。
  • 問4.次に、図4のように、回折格子シートを取り外してガラス板の左側に取り付けた。そして波長$\lambda$の平行光線を回折格子シートに対してある入射角$i_0$で入射させたところ、1次回折光はガラス内を直進した後、ガラス面の右側で屈折角$\theta_4$で屈折した。
    aitiika-2012-physics-2-4
    1. となり合うスリットを通る光の回折格子の両側での1次回折光の光学距離の差を、$d$、$i_0$、$n$を用いて表せ。
    2. $\sin{i_0}$を、$d$、$n$、$\lambda$を用いて表せ。
    3. $\sin\theta_4$を、$d$、$i_0$、$\lambda$を用いて表せ。