獨協医科大学化学2013年第3問
次の文章を読み、下の問1~4に答えなさい。ただし、mmHgは圧力の単位で、1mmHg=1.333hPaである。〔解答番号1~5〕
1887年にフランスのラウールは、溶液の蒸気圧について以下の法則を発見した。
- 混合溶液中のある成分物質が示す蒸気分圧は、その成分物質の溶液中でのモル分率およびその成分物質の純物質における蒸気圧に比例する。
これをラウールの法則という。たとえば純物質における蒸気圧がそれぞれ、pA、pBである成分A、Bの混合溶液中におけるモル分率をそれぞれxA、xBとすると、混合溶液全体の蒸気圧pはp=pA⋅xA+pB⋅xBと表される。純粋なAから純粋なBまで任意のモル分率においてラウールの法則が成り立つ仮想的な溶液を理想溶液という。混合比に偏りがある場合、混合物中の多い側の成分が溶媒、少ない側の成分が溶質ということになるが、その溶質が不揮発性の場合、溶液の蒸気圧p液は溶媒の蒸気圧p媒と溶媒のモル分率x媒の積で表されることになる。
p液=p媒⋅x媒したがって、その溶液の蒸気圧降下度ΔPは、次のように溶媒の蒸気圧p媒と溶質のモル分率x質の積で表されることになる。
ΔP=p媒−p液=p媒−p媒⋅x媒=p媒(1−x媒)=p媒⋅x質- 問1 ベンゼン780gとトルエン460gを混合した溶液の蒸気圧として最も適切なものを、次の(1)~(6)のうちから一つ選びなさい。ただし、この混合溶液は理想溶液であるとし、この状態における純ベンゼンおよび純トルエンの蒸気圧をそれぞれ1000mmHg、400mmHgとする。1
- (1) 400mmHg
- (2) 600mmHg
- (3) 700mmHg
- (4) 800mmHg
- (5) 1000mmHg
- (6) 1400mmHg
- 問2 60℃におけるベンゼンの蒸気圧は400mmHgである。200gのベンゼンにある不揮発性の物質を10g溶かし、60℃に保ったところ、その溶液の蒸気圧は384mmHgになった。この物質の分子量として最も適切なものを、次の(1)~(6)のうちから一つ選びなさい。ただし、この溶液は理想溶液であるとする。2
- (1) 59
- (2) 72
- (3) 94
- (4) 110
- (5) 130
- (6) 144
- 問3 大気中の二酸化炭素の体積百分率は、現在では0.040%になっている。27℃で大気圧(1.0×105Paとする)下の水に溶けている二酸化炭素のモル濃度は3mo1/Lになり、液体全体に占める溶質の二酸化炭素のモル分率を4と近似することができる。3、4に入る数値として最も適切なものを、それぞれの選択肢のうちから一つずつ選びなさい。ただし、27℃、1.0×105Paにおいて水1.0Lに溶ける二酸化炭素の体積を標準状態に換算すると0.672Lであり、二酸化炭素の水への溶解についてはヘンリーの法則が成り立つものとする。また、水の密度は1.0g/cm3とし、水の蒸気圧は無視してよい。
- 3の選択肢
- (1) 1.0×10−6
- (2) 3.0×10−6
- (3) 1.2×10−5
- (4) 3.0×10−5
- (5) 1.2×10−2
- (6) 3.0×10−2
- 4の選択肢
- (1) 1.2×10−7
- (2) 2.2×10−7
- (3) 1.2×10−5
- (4) 2.2×10−5
- (5) 1.2×10−3
- (6) 2.2×10−3
- 3の選択肢
- 問4 5.0Lの真空密閉容器に水2.0Lとドライアイス4.4gを入れて27℃に保った。十分な時間が経った後、容器内の二酸化炭素の分圧として最も適切なものを、次の(1)~(5)のうちから一つ選びなさい。ただし、水の蒸発による体積の減少は無視できるものとし、二酸化炭素の水への溶解度は問3の値を用いることとする。5
- (1) 5.5×104Pa
- (2) 8.3×104Pa
- (3) 1.0×105Pa
- (4) 5.5×105Pa
- (5) 8.3×105Pa