獨協医科大学化学2012年第1問
次の問1~10に答えなさい。答えは、それぞれの(1)~(5)のうちから一つずつ選びなさい。〔解答番号$\fbox{1}$~$\fbox{10}$〕
- 問1 第一イオン化エネルギーが最も小さい元素。$\fbox{1}$
- (1) リチウム
- (2) カリウム
- (3) 炭素
- (4) フッ素
- (5) ヨウ素
- 問2 イオンからなる物質であるもの。$\fbox{2}$
- (1) 水素化ナトリウム
- (2) 塩化水素
- (3) 二酸化炭素
- (4) 炭化ケイ素
- (5) アンモニア
- 問3 その構造が正四面体形であるもの。$\fbox{3}$
- (1) 水
- (2) アンモニア
- (3) 二酸化炭素
- (4) テトラアンミン亜鉛(II)イオン
- (5) テトラアンミン銅(II)イオン
- 問4 分子間に水素結合を生ずるもの。$\fbox{4}$
- (1) アセトン
- (2) ジクロロメタン
- (3) トルエン
- (4) 二酸化硫黄
- (5) アンモニア
- 問5 酸化還元反応であるもの。$\fbox{5}$
- (1) 沸騰水に、塩化鉄(III)水溶液を加えたときの反応
- (2) 硫酸酸性の二クロム酸カリウム水溶液に、水酸化ナトリウム水溶液を加えたときの反応
- (3) ヨウ化カリウムの水溶液に、臭素水を加えたときの反応
- (4) 炭酸カルシウムに、塩酸を加えたときの反応
- (5) 塩化ナトリウムに、濃硫酸を加えて加熱したときの反応
- 問6 陽極からも、陰極からも気体が発生する電気分解。$\fbox{6}$
- (1) 硝酸銀水溶液を、炭素電極で電気分解する。
- (2) 硫酸銅(II)水溶液を、白金電極で電気分解する。
- (3) 希硫酸を、銅電極で電気分解する。
- (4) 塩化ナトリウム水溶液を、炭素電極で電気分解する。
- (5) 塩化銅(II)水溶液を、炭素電極で電気分解する。
- 問7 脂肪族化合物の反応に関する次の記述のうち、誤りを含むもの。$\fbox{7}$
- (1) アセチレンに、硫酸水銀(II)存在下で水を反応させて生成する物質は、エチレンに、塩化パラジウム(II)および塩化銅(II)存在下で酸素を作用させても生成する。
- (2) エタノールに濃硫酸を加えて130℃に加熱すると、主にエチレンが生成し、同じく160℃に加熱すると、主にジエチルエーテルが生成する。
- (3) エチレンは、工業的には、石油の精製によって得られるナフサを熱分解することによって得られる。
- (4) メタンは、実験室では、酢酸ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合物を加熱することによって得られる。
- (5) エチレンに塩素が付加すると、1,2-ジクロロエタンになる。
- 問8 油脂に関する次の記述のうち、正しいもの。$\fbox{8}$
- (1) 同程度の分子量の油脂であれば、炭素―炭素間不飽和結合が多い油脂ほど融点が低くなる。
- (2) 室温で液体の油脂には、空気中で酸素と反応して固体に変わるものがある。この反応を油脂の硬化といい、得られた固体の油脂を硬化油という。
- (3) 分子量が大きい油脂ほど、その1gをケン化するのに必要な水酸化ナトリウムの質量が大きい。
- (4) セッケンは、油滴を水に分散させることにより油汚れを取り除く。このとき生じた液体は懸濁液と呼ばれ、この作用を、セッケンの懸濁作用という。
- (5) セッケン水の中で、セッケン分子は、疎水基を外側、親水基を内側に向けて多数集合し、ミセルと呼ばれるコロイド粒子を形成している。
- 問9 糖類に関する次の記述のうち、誤りを含むもの。$\fbox{9}$
- (1) $\alpha$-グルコースを水100gに溶かして得られた溶液と、同量の$\beta$-グルコースを水100gに溶かして得られた溶液の組成は、同じになる。
- (2) $\beta$-グルコースを、塩化水素存在下メタノールと反応させて生成する物質は、フェーリング液を還元しない。
- (3) アミロースは、$\alpha$-グルコースが直鎖状に縮合重合した高分子化合物で、温水に溶けない。
- (4) セルロースは、$\beta$-グルコースが直鎖状に縮合重合してできる高分子化合物で、ヨウ素溶液を加えても呈色しない。
- (5) スクロースが銀鏡反応を示さないのは、$\alpha$-グルコースとフルクトースが、還元性を示す部分どうしで縮合しており、鎖状構造をとれないからである。
- 問10 核酸や、医薬品、肥料に関する次の記述のうち、誤りを含むもの。$\fbox{10}$
- (1) 核酸を構成する元素は$\text{C}$、$\text{H}$、$\text{O}$、$\text{N}$のみである。
- (2) 光合成の反応過程の一つとして合成されるアデノシン三リン酸は、高エネルギーをもつリン酸どうしの結合を2つ含んでいる。
- (3) 血液中の糖の濃度を調節するインスリンは、遺伝子操作を施した大腸菌から生産され、医薬品として用いられている。
- (4) 多くの生物のどのDNAでも、アデニンとチミン、グアニンとシトシンの物質量がほぼ同一である。
- (5) 植物に必要な元素のうち、土壌中で特に不足しやすい窒素、リン、カリウムを肥料の三要素という。