獨協医科大学化学2012年第5問

分子式$\text{C}_{11}\text{H}_{14}\text{O}_4$の化合物Aについて以下の実験(1)~(4)を行った。これらの文章を読み、以下の問1~3に答えなさい。〔解答番号$\fbox{1}$~$\fbox{6}$〕
  • 実験(1) A4.20gをジエチルエーテルに溶かし、十分な量の金属ナトリウムと反応させると、標準状態で448mLの気体が発生した。また、Aを加水分解したところ、化合物Bと、分子式$\text{C}_7\text{H}_8\text{O}_2$の化合物Cが得られた。
  • 実験(2) A、BおよびCに塩化鉄(III)水溶液を加えると、Cだけが呈色した。
  • 実験(3) Bは光学異性体をもつ。Bを硫酸酸性二クロム酸カリウム水溶液と反応させたところ、還元性を示す化合物を経て、化合物Dが生成した。Dは光学異性体をもたなかった。
  • 実験(4) Cに濃硝酸と濃硫酸の混合物を作用させると、1分子中に窒素原子を1個もつ化合物が2種類だけ生じた。
  • 問1 実験(1)、(2)までの記述で、化合物B、Cとして考えられる構造異性体はそれぞれ何種類考えられるか。その数を次の(1)~(8)から一つずつ選びなさい。B:$\fbox{1}$、C:$\fbox{2}$
    • (1) 1
    • (2) 2
    • (3) 3
    • (4) 4
    • (5) 5
    • (6) 6
    • (7) 7
    • (8) 8
  • 問2 実験(3)までの記述で、Bの構造異性体を1種類に絞り込むことができる。Bの構造式を下図のようにおいたとき、$\fbox{3}$、$\fbox{4}$、$\fbox{5}$にあてはまる構造を、それぞれ下の1~9から一つずつ選びなさい。ただし、各原子の原子量または原子団の式量の大きさが$\fbox{3}\lt\fbox{4}\lt\fbox{5}$となるように答えること。
  • dokkyoika-2012-chemistry-5-1
    dokkyoika-2012-chemistry-5-2
  • 問3 下図に示すように、エタノール分子には、環境の違いによって区別できる水素原子が$\text{H}_\text{a}$、$\text{H}_\text{b}$、$\text{H}_\text{c}$の3種類ある。
    dokkyoika-2012-chemistry-5-3
    この考え方に従うと、化合物Aには、環境の違いによって区別できる水素原子が何種類あるか。その数を次の(1)~(6)から一つ選びなさい。なお、Aは光学異性体の一方の構造であり、他方の光学異性体の水素原子までは考慮する必要はない。$\fbox{6}$種類
    • (1) 6
    • (2) 7
    • (3) 8
    • (4) 9
    • (5) 10
    • (6) 11