獨協医科大学化学2013年第4問
次の問1~5に答えなさい。〔解答番号$\fbox{1}$~$\fbox{5}$〕
- 問1 塩化水素の発生と捕集の方法に関する記述として最も適切なものを、次の(1)~(6)のうちから一つ選びなさい。$\fbox{1}$
- (1) ふたまた試験管を用いて塩化ナトリウム側に濃硫酸を流し込むと直ちに塩化水素が発生するので、上方置換で捕集する。
- (2) ふたまた試験管を用いて塩化ナトリウム側に濃硫酸を流し込むと直ちに塩化水素が発生するので、下方置換で捕集する。
- (3) ふたまた試験管を用いて塩化ナトリウム側に濃硫酸を流し込むと直ちに塩化水素が発生するので、水上置換で捕集する。
- (4) 試験管に塩化ナトリウムと濃硫酸を入れて静かに加熱すると塩化水素が発生するので、上方置換で捕集する。
- (5) 試験管に塩化ナトリウムと濃硫酸を入れて静かに加熱すると塩化水素が発生するので、下方置換で捕集する。
- (6) 試験管に塩化ナトリウムと濃硫酸を入れて静かに加熱すると塩化水素が発生するので、水上置換で捕集する。
- 問2 ハロゲンの化合物とハロゲン単体は、組み合わせにより反応が起こる場合と起こらない場合がある。$\text{KCl}$、$\text{KBr}$、$\text{KI}$の各水溶液に$\text{Cl}_2$、$\text{Br}_2$、$\text{I}_2$の各ヘキサン溶液を加えたとき、反応が起こればヘキサン溶液の色が変化する。次の(a)~(f)で、ヘキサン溶液の色が変化する組み合わせとして最も適切なものを、下の(1)~(6)のうちから一つ選びなさい。$\fbox{2}$
【ハロゲン化カリウム水溶液とハロゲン単体のヘキサン溶液との組み合わせ】- (a) $\text{KCl}$水溶液と$\text{Br}_2$のヘキサン溶液
- (b) $\text{KCl}$水溶液と$\text{I}_2$のヘキサン溶液
- (c) $\text{KBr}$水溶液と$\text{Cl}_2$のヘキサン溶液
- (d) $\text{KBr}$水溶液と$\text{I}_2$のヘキサン溶液
- (e) $\text{KI}$水溶液と$\text{Cl}_2$のヘキサン溶液
- (f) $\text{KI}$水溶液と$\text{Br}_2$のヘキサン溶液
- (1)(a)、(b)、(c)
- (2)(a)、(c)、(f)
- (3)(b)、(c)、(d)
- (4)(b)、(d)、(f)
- (5)(c)、(d)、(e)
- (6)(c)、(e)、(f)
- 問3 次の(a)~(c)の反応では、いずれも二酸化硫黄$(\text{SO}_2)$の気体が発生する。これらの反応と(ア)~(ウ)の説明の組み合わせとして最も適切なものを、下の(1)~(6)のうちから一つ選びなさい。$\fbox{3}$
【$\text{SO}_2$発生の反応】- (a) $\text{Na}_2\text{SO}_3+\text{H}_2\text{SO}_4\longrightarrow\text{Na}_2\text{SO}_4+\text{H}_2\text{O}+\text{SO}_2$
- (b) $\text{Cu}+2\text{H}_2\text{SO}_4\longrightarrow\text{CuSO}_4+2\text{H}_2\text{O}+\text{SO}_2$
- (c) $4\text{FeS}_2+11\text{O}_2\longrightarrow2\text{Fe}_2\text{O}_3+8\text{SO}_2$
- (ア)硫黄が酸化された結果、$\text{SO}_2$となった。
- (イ)強酸によって弱酸が遊離した結果、$\text{SO}_2$が発生した。
- (ウ)硫黄が還元された結果、$\text{SO}_2$となった。
(a) (b) (c) (1) (ア) (イ) (ウ) (2) (ア) (ウ) (イ) (3) (イ) (ア) (ウ) (4) (イ) (ウ) (ア) (5) (ウ) (ア) (イ) (6) (ウ) (イ) (ア) - 問4 $\text{Cu}^{2+}$、$\text{Zn}^{2+}$、$\text{Ba}^{2+}$の混合水溶液から各イオンを一種類ずつ沈殿物の形で分離する。A、B、Cの操作の組み合わせとして最も適切なものを、下の(1)~(6)のうちから一つ選びなさい。$\fbox{4}$
A B C (1) $\text{HCl}$を加える $\text{H}_2\text{S}$を通じる 過剰の$\text{NH}_3$を加えた後で
$\text{H}_2\text{S}$を通じる(2) $\text{HCl}$を加える 過剰の$\text{NH}_3$を加える $\text{H}_2\text{S}$を通じる (3) $\text{HCl}$を加える 過剰の$\text{NaOH}$を加える $\text{H}_2\text{S}$を通じる (4) $\text{H}_2\text{SO}_4$を加える $\text{H}_2\text{S}$を通じる 過剰の$\text{NH}_3$を加えた後で
$\text{H}_2\text{S}$を通じる(5) $\text{H}_2\text{SO}_4$を加える 過剰の$\text{NH}_3$を加える $\text{H}_2\text{S}$を通じる (6) $\text{H}_2\text{SO}_4$を加える 過剰の$\text{NaOH}$を加える $\text{H}_2\text{S}$を通じる - 問5 $\text{Al}_2(\text{SO}_4)_3$と$\text{K}_2\text{SO}_4$は、それぞれ結晶の形が異なる物質である。いまそれぞれの1mol/L水溶液を500mLずつ混合した水溶液を作り、時間をかけて水を蒸発させたところ、どちらの結晶の形とも異なる八面体の結晶が得られた。このことに関する記述として最も適切なものを、次の(1)~(6)のうちから一つ選びなさい。$\fbox{5}$
- (1) 生じた八面体結晶の物質はアルマイトといい、複塩の一種で$\text{Al}^{3+}$は$\text{Fe}^{3+}$や$\text{Cr}^{3+}$に、$\text{K}^+$は$\text{NH}_4{^+}$に置き換えることができる。
- (2) 生じた八面体結晶の物質はミョウバンといい、複塩の一種で$\text{Al}^{3+}$は$\text{Fe}^{3+}$や$\text{Cr}^{3+}$に、$\text{K}^+$は$\text{NH}_4{^+}$に置き換えることができる。
- (3) 生じた八面体結晶の物質はアルマイトといい、錯塩の一種で$\text{Al}^{3+}$に$\text{SO}_4{^{2-}}$が配位結合した化合物である。
- (4) 生じた八面体結晶の物質はミョウバンといい、錯塩の一種で$\text{Al}^{3+}$に$\text{SO}_4{^{2-}}$が配位結合した化合物である。
- (5) 生じた八面体結晶の物質はアルマイトといい、この結晶は水に溶けない。
- (6) 生じた八面体結晶の物質はミョウバンといい、この結晶を水に溶かすと弱アルカリ性を示す。