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獨協医科大学生物2013年第3問

神経細胞に関する次の文(A・B)を読み、下の問1~7に答えなさい。〔解答番号19

A 神経細胞においては、細胞の細胞膜に存在するナトリウムポンプのはたらきによって、ナトリウムイオンが細胞外にくみ出され、カリウムイオンが細胞内に取り込まれる。このポンプによるイオンの移動はと呼ばれる。一方で、細胞膜を介した電位は、ある種のチャネルを通って細胞外に流れ出したカリウムイオンによって、細胞膜の外側はに、内側はに分極する。この時に生じる電位を静止電位という。神経細胞が刺激を受けると、細胞膜のナトリウムチャネルが開き、ナトリウムイオンが細胞内に急速に流入し、活動電位が発生する。これが興奮である。興奮はすぐにおさまり、電位は元の状態に戻る。この後しばらくは、刺激されてもこの部位では興奮が起きない。この時期をといい、このおかげで興奮のが一方向に進む。神経細胞の軸索末端は次の神経細胞と小さなすきま(間隙)を介してつながっていて、この接続部をという。での興奮のは、などの化学物質を介して行われる。

  • 問1 文中のにあてはまる語句として最も適当なものはどれか。次の(1)~(4)のうちから一つ選びなさい。1
    • (1)開口分泌
    • (2)促進拡散
    • (3)飲食作用
    • (4)能動輸送
  • 問2 文中のにあてはまる語句の組み合わせとして最も適当なものはどれか。次の(1)~(4)のうちから一つ選びなさい。2
      イ  ウ  エ
    (1)
    プラスマイナス静止期
    (2)
    マイナスプラス静止期
    (3)
    プラスマイナス不応期
    (4)
    マイナスプラス不応期
  • 問3 文中のにあてはまる語句の組み合わせとして最も適当なものはどれか。次の(1)~(4)のうちから一つ選びなさい。3
     オ  カ キ
    (1)
    伝達シナプス伝導
    (2)
    伝達ニューロン伝導
    (3)
    伝導シナプス伝達
    (4)
    伝導ニューロン伝達
  • 問4 文中のにあてはまる化学物質の組み合わせとして最も適当なものはどれか。次の(1)~(4)のうちから一つ選びなさい。4
    • (1)アセチルコリン、グルカゴン
    • (2)アセチルコリン、ノルアドレナリン
    • (3)グルカゴン、パラドルモン
    • (4)ノルアドレナリン、パラトルモン
  • 問5 文中の下線部に関連して、下の(1)・(2)の問いに答えなさい。
    • 〔1〕神経細胞の静止電位は、各イオンの細胞膜における透過性と各イオンの神経細胞内外の濃度により決まる。特定のイオンのみを透過している場合、細胞膜の静止電位V(mV)は次の式で求められる。 V=58log10[C]o[C]i [C]oはイオン濃度(mM)、[C]iは細胞内のイオン濃度(mM)を示す。細胞膜ではナトリウムイオンよりもカリウムイオンの透過性が高いことが知られており、静止状態の細胞膜は、カリウムイオンをほぼ選択的に透過させているとみなすことができる。
      表1
      イオン
      細胞内濃度(mM)
      細胞内濃度(mM)
      ナトリウム
       16
      165
      カリウム
      150
        5
      神経細胞内外のイオン濃度は表1の通りであると仮定し、また、ここではある種のカリウムチャネルだけが開いているものとして、静止電位(mV)を計算した場合、その値として最も適当なものはどれか。次の(1)~(4)のうちから一つ選びなさい。なお、計算に必要ならば、log102=0.30log103=0.48を使用しなさい。5mV
      • (1)-74
      • (2)-78
      • (3)-82
      • (4)-86
    • 〔2〕実際には、神経細胞における静止電位は(1)で求めた理論値より高い値を示す。その理由として最も適当なものはどれか。次の(1)~(4)のうちから一つ選びなさい。6
      • (1)カリウムチャネルを通って他のイオンが移動しているため。
      • (2)ナトリウムイオンも少量であるが外側へ移動しているため。
      • (3)ナトリウムイオンも少量であるが内側へ移動しているため。
      • (4)静止電位の形成にはナトリウムイオンやカリウムイオン以外の他の陽イオンが大きく影響しているため。

B ヤリイカには太い軸索をもつ神経細胞があり、神経生理学の研究に頻繁に用いられてきた。この神経細胞を生理的塩類溶液の中に入れ、実験を行った。

実験 図1に示すように、神経細胞の軸索の表面に記録電極aと基準電極bを5cm離して置き、閾値以上の電気刺激を1回与えたところ、図2のような電位差の変化が観察された。

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dokkyoika-2013-biology-3-2
  • 問6 図1と図2から実験に用いた軸索を興奮が伝わる速度(m/秒)を推定した。その値として最も適当なものはどれか。次の(1)~(4)のうちから一つ選びなさい。7m/秒
    • (1)2.5
    • (2)12.5
    • (3)25
    • (4)50
  • 問7 次の〔1〕〔2〕のことを行った場合、図2の波形はどのように変化するか。その変化を示したグラフとして最も適当なものを、それぞれ次の(1)~(4)のうちから一つ選びなさい。
    • 〔1〕記録電極aと基準電極bの間で軸索をピンセットで強くつまみ、活動電位が発生しなくなるようにした後、図1の刺激位置で閾値以上の電気剌激を1回与える。8
    • 〔2〕記録電極aと基準電極bの間の中央の位置で、閾値以上の電気剌激を1回与える。9
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