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兵庫医科大学物理2012年第2問

図に示すように、水平面に対して傾き30°の斜面と、その下端Pからなめらかに連続する水平な床がある。水平な床の右端Qには壁があり、PQ間の距離は2l、PQの中点を0とする。最初、質量mの小さな物体Aが斜面上の高さhのところに、質量Mの小さな物体BがOに静止していた。x軸を図のようにとり、Oを原点とし、h<lが成り立っているものとする。また、物体と斜面および床との摩擦は無いものとし、空気抵抗も無視できるものとする。重力加速度をgとし、符号に注意して以下の問いに答えよ。計算問題は、導出過程も簡潔にまとめて記し、解答は解答欄に記すこと。
hyogoika-2012-physics-2-1
  • I. 物体Aは斜面上をすべり落ち、物体Bにはねかえり係数e (0<e<1)で衝突した。
    • (1) 物体Aが点Pに到達するまでの時間を求めよ。
    • (2) 物体Aが点Pに到達してから、物体Bに到達するまでの時間を求めよ。
    • (3) 物体Aが物体Bに衝突する直前の物体Aの速度を求めよ。
    • (4) 衝突後の物体Aの速度を求めよ。
    • (5) 衝突後の物体Bの速度を求めよ。
  • II. 物体Bの質量が、物体Aの質量の5倍である場合(M=5m)を考えよう。はねかえり係数e=0.5のとき、最初の衝突後、物体Aはx軸の負の方向に進み、斜面を点Rまでのぼり、再びすべり落ちた。
    • (6) 点Rの高さを求めよ。
    • (7) 物体Aが、物体Bに衝突してから点Rに達するまでにかかる時間を求めよ。
  • III. 次に、物体Bが、x軸の正の方向に進み、点Qで壁に完全弾性衝突する場合を考える。ただし、h<lの場合、物体Aが斜面をすべり下りて再び物体Bに衝突するのは、斜面上ではなく、水平な床PQ上である。
    • (8) 物体Aが斜面上で点Rに達してから、物体Aと物体Bが2回目に衝突するまでの時間を求めよ。
    • (9) 物体Aと物体Bの2回目の衝突がおこる位置のx座標を求めよ。
  • IV. 最後に、IIIの場合とは異なり、物体Bがx軸の正の方向に進み、点Qで壁にはねかえり係数e (0<e<1)で非弾性衝突する場合を考える。
    • (10) 物体Aと物体Bの2回目の衝突が原点Oでおこる場合、はねかえり係数eを求めよ。