兵庫医科大学生物2012年第1問

(1)から(12)の問いに答えよ。
  • (1) ATPによる筋収縮を観察する目的でグリセリン筋を作成する際、ニワトリの新鮮な胸筋を適当な長さに切った後に50%グリセリン水溶液に浸して冷蔵庫の中に数日間置く。下線の処理を行う理由として正しいのはどれか。1つ選べ。
    • A. 細胞を固定するため。
    • B. 筋繊維の細胞膜を保護するため。
    • C. ATPや低分子の物質を除去するため。
    • D. 新鮮な胸筋では収縮が起こりにくいため。
    • E. アクチンやミオシンのフィラメントの構造を破壊するため。
  • (2) ワクチンについて、誤っているのはどれか。1つ選べ。
    • A. 無毒化した毒素を用いる。
    • B. 弱毒化した病原体を用いる。
    • C. ハブなどの毒ヘビにかまれたときに用いる。
    • D. あらかじめ体に病原体に対する抗体をつくる。
    • E. あらかじめ体に病原体に対する記憶細胞をつくる。
  • (3) 細胞膜の断面を電子顕微鏡で観察すると、暗・明・暗の3層の構造が見える。明の部分を構成するのはどれか。1つ選べ。
    • A. 炭水化物
    • B. リン脂質の親水性の部分
    • C. リン脂質の疎水性の部分
    • D. タンパク質の親水性の部分
    • E. タンバク質の疎水性の部分
  • (4) 以下のうち、2枚の生体膜で構成されているものをすべて選べ。
    • A. 液胞
    • B. 核
    • C. ゴルジ体
    • D. 細胞質基質
    • E. 細胞壁
    • F. 細胞膜
    • G. 中心体
    • H. ミトコンドリア
    • I. 葉緑体
    • J. リボソーム
  • (5) 右は免疫グロブリンの模式図である。抗原と結合する部分をA~Eから1つ選べ。
  • hyogoika-2012-biology-1-1
  • (6) ヒトの腕の相同器官でないのはどれか。1つ選べ。
    • A. クジラの胸びれ
    • B. コウモリの翼
    • C. チョウのはね
    • D. ハトの翼
    • E. ワニの前肢
  • (7) 現在の地球上には、知られているだけでも約180万種の生物がいる。その内訳は右の円グラフに示すように、植物が約29万種、原生生物が約8万種である。約95万種に該当する生物はどれか。1つ選べ。
    hyogoika-2012-biology-1-2
    • A. 菌類
    • B. 原核生物
    • C. 昆虫類
    • D. 昆虫類以外の無脊つい動物
    • E. 脊つい動物
  • (8) 地球上の生物の変遷で、地質時代の古生代に該当するのはどれか。あてはまるものをすべて選べ。
    • A. 木生シダの繁栄
    • B. 大型は虫類の繁栄
    • C. ラン藻類の大繁殖
    • D. バージェス動物群の出現
    • E. エディアカラ動物群の出現
  • (9) カエルの脳下垂体から放出されるホルモンは、「成長」と「甲状腺ホルモンの分泌」を促進する。甲状腺ホルモンは、変態を促進する。脳下垂体を除去して、甲状腺の抽出物を注射したおたまじゃくしは、どのようになると予測されるか。1つ選べ。
    • A. すぐに死ぬ。
    • B. 成長は進み、変態は起こる。
    • C. 成長は進まず、変態は起こる。
    • D. 成長は進み、変態は起こらない。
    • E. 成長は進まず、変態は起こらない。
  • (10) 神経細胞の活動電位について正しいのはどれか。すべて選べ。
    • A. 活動電位は、刺激があれば必ず発生する。
    • B. 活動電位の大きさは、刺激の強さに比例する。
    • C. 活動電位の大きさは、軸索を伝わるあいだに小さくなる。
    • D. 活動電位は、軸索に刺激を与えると軸索の両方向に伝導する。
    • E. 活動電位の伝導速度は、有髄神経の方が同じ太さの無髄神経より速い。
  • (11) しつがい腱(けん)反射に関係するものはどれか。すべて選べ。
    • A. 大脳
    • B. 中脳
    • C. 延髄
    • D. 脊髄
    • E. 感覚神経
    • F. 運動神経
    • G. 介在神経
    • H. 筋紡錘(きんぼうすい)
  • (12) 自律神経系に関して正しいのはどれか。すべて選べ。
    • A. 意志とは無関係に働く。
    • B. 交感神経は、中脳・延髄・脊髄下部から出ている。
    • C. 副交感神経の末端からは、アセチルコリンが分泌される。
    • D. 体温が上昇すると、立毛筋が副交感神経によって収縮する。
    • E. 心臓の拍動を調節する自律神経の末端は、主に左心房にある。