兵庫医科大学物理2012年第1問

次の設問(1)~(10)に答えよ。計算問題は、導出過程も簡潔にまとめて記し、解答は解答欄に記すこと。また、(7)、(8)、(10)については、単位を付して答えること。
  • (1) 図の破線は、左から右に進む波が、ある時刻に固定端に入射した入射波の変位を表している。図中に、固定端で反射された反射波の波形を実線で書き込め。
    hyogoika-2012-physics-1-1
  • (2) 次の5つの電磁波を、波長の長いものから順に並べ、番号を左から順に記入せよ。
      [
    • 1.$\text{X}$線
    • 2.$\gamma$線
    • 3.赤外線
    • 4.紫外線
    • 5.可視光線
    • ]
  • (3) 船首から船尾までの長さが$L$の船がある。この船が波の進行方向と逆の向きに静水に対して速さ$v$で進んでいる。このとき、船首に波の山があたってから、船尾を通りすぎるまでの時間は$t_1$、次の山が船首にあたる時間間隔は$t_2$であった。波の振動数を求めよ。ただし、水は流れていないものとする。
  • (4) 水平な粗い板の上に均質な質量$m$、長さ$L$の細い棒が置いてある。この棒の一端にバネ定数$k$のバネを付けて鉛直上方に引っ張るとバネが$a$伸びたときに板から離れた。ただし、もう一方の端は滑ることもなく、板に接したままである。バネ定数$k$を求めよ。重力加速度の大きさを$g$とする。
  • (5) 密度$\rho_0$の液体中に半径$r$、一様な密度$\rho$の球全体を糸で静かに吊るして入れてある。このとき糸にかかる張力の大きさを求めよ。ただし$\rho\gt\rho_0$とし、重力加速度の大きさを$g$とする。
  • (6) 図(a)のように$x$軸をとった空間の中で一様な電場が存在し、$x=5a~(a\gt0)$のところに金属の接地板が置かれている。その結果、$x$軸に沿った電位$V$のグラフは、図(b)の破線のようであった。この一様な電場中に、金属を図(c)のように挿入した場合、$x$軸に沿った電位のグラフを実線で描け。ただし、金属や接地板は$x$軸に垂直な方向にじゅうぶん長く、金属の無い空間は一様な電場が存在するものとする。
    hyogoika-2012-physics-1-2
    hyogoika-2012-physics-1-3
    hyogoika-2012-physics-1-4
    hyogoika-2012-physics-1-5
  • (7) 図のように、断面積$4.0\times10^{-4}$m2、巻き数2500回のコイルが、一様な磁場中に置かれている。いま、磁束密度が一定の割合で変化したので、コイルにつないだ50Ωの抵抗に単位時間あたりAからBの向きに$8.0\times10^{-4}$Aの電流が流れた。図の左側を磁束密度の正の方向とするとき、磁束密度の単位時間あたりの変化量の大きさを、符号を含めて答えよ。 ただし、コイルや導線の抵抗は無視できるものとする。
    hyogoika-2012-physics-1-6
  • (8) 1気圧で30℃の水1.0kgをすべて蒸発させるのに必要な熱量を求めよ。ただし、水の比熱を$4.2\text{J}/(\text{g}\cdot\text{K})$、蒸発熱を$2.3\times10^3\text{J}/\text{g}$とする。
  • (9) 体積$V$の容器Aと体積$2V$の容器Bがコックの付いた細管でつながれている。Aには圧力$P$、絶対温度$T$の理想気体が入っており、Bには圧力$3P$、絶対温度$4T$の理想気体が入っている。コックを開いてじゅうぶん時間が経過した後、両容器内の温度を絶対温度$3T$にした。両容器内の気体の圧力を求めよ。ただし、細管の体積は無視できるものとする。
  • (10) 発光ダイオードにおいて、伝導帯にある電子が、エネルギー準位が1.5eV下の価電子帯に落ち込んで発光した。この光の波長を求めよ。ただし、電気素量を$1.6\times10^{-19}$C、光速を$3.0\times10^8$m/s、ブランク定数を$6.6\times10^{-34}\text{J}\cdot\text{s}$とする。