順天堂大学化学2013年第1問
次の各問いに答えなさい。〔解答番号$\fbox{1}$~$\fbox{11}$〕
炭素原子は周期表では第(イ)族、第(ロ)周期に属する典型元素であり、(ハ)個の価電子を持つ。
炭素の単体には黒鉛、ダイヤモンド、フラーレンなどの同素体が存在する。黒鉛は炭素原子が正(ニ)角形の各頂点に位置し、この平面構造が層状に重なっている。各炭素原子は(ホ)個の炭素原子と共有結合し、共有結合に用いられない価電子が自由電子的に振る舞うため電気伝導性が良い。ダイヤモンドは炭素原子が正四面体の中心と各頂点に位置し、図に示すような単位格子の結晶構造を持ち、極めて硬い物質である。
- 問1 次の問い(a)~(d)に答えなさい。
- (a)文中の空欄(イ)に当てはまる数字はいくつになるか。正しいものを(1)~(6)の中から一つ選びなさい。
(イ) $\fbox{ 1 }$ - (1)12
- (2)13
- (3)14
- (4)15
- (5)16
- (6)17
- (b)文中の空欄(ロ)~(ホ)に当てはまる数字はいくつになるか。正しいものを(1)~(6)の中から一つずつ選びなさい。ただし同じ番号を何度使用しても構わない。
(ロ) (ハ) (ニ) (ホ) $\fbox{ 2 }$ $\fbox{ 3 }$ $\fbox{ 4 }$ $\fbox{ 5 }$ - (1)1
- (2)2
- (3)3
- (4)4
- (5)5
- (6)6
- (c)ダイヤモンドの単位格子に含まれる炭素原子は何個になるか。正しいものを(1)~(6)の中から一つ選びなさい。$\fbox{6}$個
- (1)4
- (2)8
- (3)10
- (4)12
- (5)
- 16(6)18
- (d)ダイヤモンドの単位格子の一辺の長さを$W$ [nm]とした時、炭素-炭素間の結合距離を$W$を用いて表すとどのようになるか。正しいものを(1)~(6)の中から一つ選びなさい。$\fbox{7}$ [nm]
- (1)$\dfrac{W}{2}$
- (2)$\dfrac{W}{4}$
- (3)$\dfrac{\sqrt{2}}{2}W$
- (4)$\dfrac{\sqrt{2}}{4}W$
- (5)$\dfrac{\sqrt{3}}{2}W$
- (6)$\dfrac{\sqrt{3}}{4}W$
- (a)文中の空欄(イ)に当てはまる数字はいくつになるか。正しいものを(1)~(6)の中から一つ選びなさい。
- 問2 ケイ素は炭素と同族元素であり、ダイヤモンド型の結晶構造を持つ。ケイ素単体は天然には存在せず、二酸化ケイ素を主成分とするケイ砂や石英として存在する。二酸化ケイ素を(ヘ)と混ぜて高温で融解し、生成した物質に水を加えて熱すると水ガラスが得られる。水ガラスに(ト)を作用させ、加熱により脱水するとシリカゲルが得られる。次の問い(a)、(b)に答えなさい。
- (a)ダイヤモンドとケイ素、それぞれの結晶中での結合距離を比較するにはどのような情報が必要か。正しい組み合わせを(1)~(6)の中から一つ選びなさい。$\fbox{8}$
- (1)アボガドロ定数と炭素、ケイ素の原子量
- (2)アボガドロ定数と炭素、ケイ素の結晶密度
- (3)炭素、ケイ素の原子番号と結晶密度
- (4)炭素、ケイ素の原子量と結晶密度
- (5)アボガドロ定数と炭素、ケイ素の原子番号
- (6)炭素、ケイ素の原子番号と原子量
- (b)文中の空欄(ヘ)、(ト)に当てはまる化合物として正しいものを(1)~(6)の中から一つずつ選びなさい。ただし同じ番号を何度使用しても構わない。
(ヘ) (ト) $\fbox{ 9 }$ $\fbox{ 10 }$ - (1)水酸化ナトリウム
- (2)塩酸
- (3)塩化ナトリウム
- (4)水
- (5)塩化カルシウム
- (6)クロロホルム
- (a)ダイヤモンドとケイ素、それぞれの結晶中での結合距離を比較するにはどのような情報が必要か。正しい組み合わせを(1)~(6)の中から一つ選びなさい。$\fbox{8}$
- 問3 高純度ケイ素は半導体材料として集積回路や太陽電池などに利用される。高純度なケイ素にごく微量の不純物を加えると電気伝導性が大きく変わる。ホウ素のような3つの価電子を持つ原子を不純物として添加し、一部ケイ素と置き換えると、ケイ素とホウ素の共有結合で電子が不足した状態になり、電子を受け入れられる場所(正孔)が生じ、半導体としての電気伝導性が増す。5.0cm四方で厚さ100µmのこの半導体中に正孔が$4.0\times10^{18}$個存在しているとすると、不純物としてのホウ素原子の物質量の割合は半導体全体の何%含まれていることになるか。最も近い値を(1)~(6)の中から一つ選びなさい。ただしケイ素の単位格子一辺の長さを0.50nmとし、ホウ素を添加しても結晶構造は変化しないものとする。$\fbox{11}$%
- (1)0.025
- (2)0.040
- (3)0.050
- (4)0.25
- (5)0.40
- (6)0.50