金沢医科大学生物2013年第1問

次の(1)~(17)の設問に答えなさい。
  • (1) 動物細胞の構成成分のうち、一般に水の次に多く含まれる物質はどれか。$\fbox{1}$
    • (a) タンパク質
    • (b) 核酸
    • (c) 炭水化物
    • (d) 脂質
    • (e) 無機塩類
  • (2) 設問(1)の正答となる物質を分解し、酸性条件下で最も高い活性を示す酵素はどれか。$\fbox{2}$
    • (a) アミラーゼ
    • (b) ATPアーゼ
    • (c) カタラーゼ
    • (d) トリプシン
    • (e) ペプシン
    • (f) マルターゼ
    • (g) リパーゼ
  • (3) 相似器官の例として適切なものを2つ選びなさい。$\fbox{3}$
    • (a) トリの翼とカエルの前肢
    • (b) カラタチのとげとヤマノイモのむかご
    • (c) サツマイモのいもとジャガイモのいも
    • (d) コウモリの翼と昆虫のはね
    • (e) ヒトの腕とクジラの胸びれ
    • (f) サボテンのとげとエンドウの巻きひげ
  • (4) 酵母菌は一般に、アルコール発酵と好気呼吸の両方を行う。ある酵母菌は、エネルギー源としてグルコースを利用できる条件下で、1時間に20Lの酸素を吸収し40Lの二酸化炭素を放出した。このときアルコール発酵により発生した二酸化炭素は、$\fbox{4}$$\fbox{5}$Lである。適切な数値を$\fbox{4}$、$\fbox{5}$に入れなさい。なお、解答が3Lのような場合は、$\fbox{0}$$\fbox{3}$として選択しなさい。
    • (a) 1
    • (b) 2
    • (c) 3
    • (d) 4
    • (e) 5
    • (f) 6
    • (g) 7
    • (h) 8
    • (i) 9
    • (j) 0
  • (5) 発芽のための栄養分が子葉ではなく、胚乳に蓄えられる種子をもつものを2つ選びなさい。$\fbox{6}$
    • (a) イネ
    • (b) インゲンマメ
    • (c) エンドウ
    • (d) クリ
    • (e) トウモロコシ
    • (f) ナズナ
  • (6) ヒトのゲノムにはおよそ何個の遺伝子が存在するか、最も近い数字を選びなさい。$\fbox{7}$
    • (a) 8,000
    • (b) 23,000
    • (c) 72,000
    • (d) 200,000
    • (e) 600,000
    • (f) 3×106
    • (g) 8×107
    • (h) 8×108
    • (i) 3×109
  • (7) 大腸菌のラクトースオペロンに関する記述として適切なものを2つ選びなさい。$\fbox{8}$
    • (a) 培地にグルコースがあってラクトースがないとき、調節タンパク質(リプレッサー)はオペレーターに結合する。
    • (b) 培地に炭素栄養源としてラクトースだけが含まれているとき、調節タンパク質(リプレッサー)はオペレーターに結合する。
    • (c) RNAポリメラーゼがプロモーターに、調節タンパク質(リプレッサー)がオペレーターに、それぞれ結合したときラクトース代謝酵素遺伝子群の発現が起こる。
    • (d) ラクトース代謝酵素遺伝子群の発現が起こるとき、オペレーターに調節タンバク質(リプレッサー)は結合していない。
    • (e) 調節タンパク質(リプレッサー)は、ラクトースが細胞内で構造変化した物質と結合すると、DNAに結合できるようになる。
  • (8) 次のa)~e)はヒトの目を構成する部位の名称である。光がこれらの部位を通る順序として正しいものはどれか。$\fbox{9}$
    • A) 水晶体
    • B) 網膜
    • C) 角膜
    • D) ガラス体
    • E) 瞳孔
    • (a) A→C→E→B→D
    • (b) A→E→C→B→D
    • (c) B→C→D→E→A
    • (d) C→A→E→D→B
    • (e) C→D→A→E→B
    • (f) C→E→A→D→B
  • (9) 腎臓での水の再吸収促進や、毛細血管の収縮などをおもな働きとするヒトのホルモンと、それを分泌する内分泌腺の名称との組合せとして最も適切なものを選びなさい。$\fbox{10}$
    • (a) チロキシン-甲状腺
    • (b) チロキシン-副腎皮質
    • (c) チロキシン-脳下垂体後葉
    • (d) パラトルモン-副甲状腺
    • (e) パラトルモン-脳下垂体前葉
    • (f) パラトルモン-脳下垂体後葉
    • (g) バソプレシン-脳下垂体後葉
    • (h) バソプレシン-脳下垂体前葉
    • (i) バソプレシン-副腎皮質
  • (10) 腎臓の糸球体からボーマンのうへろ過される物質Xの血しょう中での濃度は0.3mg/mLで、この物質はろ過された量の40%が再吸収される。原尿量を7L、尿量を60mLとしたとき、物質Xの尿中の濃度は$\fbox{11}$$\fbox{12}$mg/mLである。適切な数値を$\fbox{11}$、$\fbox{12}$に入れなさい。なお、解答が3mg/mLのような場合は$\fbox{0}$$\fbox{3}$として選択しなさい。
    • (a) 1
    • (b) 2
    • (c) 3
    • (d) 4
    • (e) 5
    • (f) 6
    • (g) 7
    • (h) 8
    • (i) 9
    • (j) 0
  • (11) 右の2つのグラフは、$\text{CO}_2$濃度十分の条件での、ある植物における光合成速度と光の強さおよび温度との関係を示している。グラフに関する記述として適切なものを2つ選びなさい。$\fbox{13}$
    • (a) 光の強さがAで温度が10℃のときの限定要因は温度である。
    • (b) 光の強さがAで温度が20℃のときの限定要因は温度である。
    • (c) 光の強さがBで温度が20℃のときの限定要因は温度である。
    • (d) 光の強さがBで温度が30℃のときの限定要因は光の強さである。
    • (e) 光の強さがCで温度が10℃のときの限定要因は光の強さである。
    • (f) 光の強さがCで温度が20℃のときの限定要因は光の強さである。
  • kanazawaika-2013-biology-1-1
  • (12) 植物ホルモンのオーキシンに関する記述として適切なものを2つ選びなさい。$\fbox{14}$
    • (a) 幼葉鞘におけるオーキシンの極性移動では、重力によってオーキシンが先端側から基部側(下方向)に運ばれる。
    • (b) 茎の頂芽でつくられる高濃度のオーキシンは、下方の側芽の成長を促進すると考えられている。
    • (c) オーキシンはイチゴなどの果実の成長を抑制する。
    • (d) オーキシンが成長を促進する最適濃度は、根、芽、茎の順に高くなる。
    • (e) オーキシンの実体はインドール酢酸である。
    • (f) 落葉にオーキシンは関係しない。
  • (13) 2つの植物群落A、Bは、一方が広葉草本型(例、セイタカアワダチソウ)で他方はイネ科草本型(例、ススキ)である。A、Bそれぞれの生産構造について、一定面積の方形枠を設け層別刈取法により調べたところ、下表の結果が得られた。考察として適切なものを2つ選びなさい。$\fbox{15}$
    草丈(cm)
    140以上
    140~120
    120~100
    100~80
    80~60
    60~40
    40~20
    20~0
    A同化器官の重さ(g)
    23
    114
    229
    411
    395
    195
    0
    0
    1367
    非同化器官の重さ(g)
    0
    0
    3
    72
    206
    380
    465
    516
    1642
    相対照度(%)
    100
    90
    80
    70
    51
    32
    21
    10
    B同化器官の重さ(g)
    3
    114
    310
    156
    30
    0
    0
    0
    613
    非同化器官の重さ(g)
    2
    14
    118
    176
    250
    328
    438
    608
    1934
    相対照度(%)
    100
    85
    49
    24
    19
    14
    11
    7
    • (a) AはBよりも同化器官が上層に集中しているのでイネ科草本型と考えられる。
    • (b) AはBよりも同化器官が上層に集中しているので広葉草本型と考えられる。
    • (c) AはBよりも同化器官の割合が高いのでイネ科草本型と考えられる。
    • (d) AはBに比べて、より下層まで光が届いているので広葉草本型と考えられる。
    • (e) BはAよりも同化器官が上層に集中しているのでイネ科草本型と考えられる。
    • (f) BはAよりも同化器官が上層に集中しているので広葉草本型と考えられる。
    • (g) Bの相対照度20%は、Bの植物の補償点を下回っていると考えられる。
  • (14) 生存曲線に関する記述として最も適切なものを選びなさい。$\fbox{16}$
    • (a) ヒトを含む大型哺乳類は平均型が多い。
    • (b) 多数の卵を産み、幼齢期に親の保護を受けない動物では一般に晩死型になる。
    • (c) 鳥類やは虫類は一般に早死型である。
    • (d) 早死型の生存曲線は一般に直線に近い形である。
    • (e) 生存曲線の型は、幼齢期にどれだけ親の保護を受けるかということと関わりが深い。
  • (15) 次の図式はワラビの生活環の一部を示したものである。問1、2に答えなさい。
    kanazawaika-2013-biology-1-2
    • 問1 図式の(ア)に入るものとして最も適切なものを選びなさい。$\fbox{17}$
      • (a) 胚珠
      • (b) 前葉体
      • (c) 胚のう細胞
      • (d) 胚乳
      • (e) 子実体
    • 問2 図式のa~gのうち、減数分裂の結果生じるのはどれか。$\fbox{18}$
      • (a) a
      • (b) b
      • (c) c
      • (d) d
      • (e) e
      • (f) f
      • (g) g
  • (16) シロイヌナズナの花では外側から、がく、花弁、おしべ、めしべが同心円状に形成される。これらの構造が正常に形成されるためには、3つの調節遺伝子(A、B、C)の発現の組み合わせが重要であり、そのしくみは図のように表現できる。Bの遺伝子が働きを失った突然変異株では、どのような花が形成されるか。$\fbox{19}$
    • (a) がくと花弁を欠き、おしべとめしべからなる花が形成される。
    • (b) がくとめしべを欠き、花弁とおしべからなる花が形成される。
    • (c) おしべとめしべを欠き、がくと花弁からなる花が形成される。
    • (d) 花弁とおしべを欠き、がくとめしべからなる花が形成される。
    • (e) 花弁のみを欠き、がく、おしべ、めしべからなる花が形成される。
    • (f) おしべのみを欠き、がく、花弁、めしべからなる花が形成される。
  • kanazawaika-2013-biology-1-3
  • (17) バージェス動物群として産出される化石はどの時代の動物のものか。$\fbox{20}$
    • (a) カンブリア紀
    • (b) シルル紀
    • (c) ぺルム紀
    • (d) ジュラ紀
    • (e) 白亜紀
    • (f) 第三紀