慶應義塾大学数学2013年第3問

設問(1)の文章の空欄に適切な数、式、または行列を入れて文章を完成させなさい。設問(2)の文章の空欄には選択肢(イ)~(チ)から適切な記号を選んで記入し、文章を完成させなさい。また、設問(3)に答えなさい。
行列$A=\left(\begin{array}{cc}a & b \\0 & c\end{array}\right)$を考える。ただし成分$a$、$b$、$c$はすべて実数とする。また$A$と同様に$(2,~1)$成分がゼロである2次正方行列で実数を成分とするものを上三角行列とよぶことにする。
  • (1) $A^2=\fbox{あ}$、$A^3=\fbox{い}$である。
    一般に自然数$n$に対して$A_n=\left(\begin{array}{cc}s_n & t_n \\u_n & v_n\end{array}\right)$とおくと$s_n=\fbox{う}$、$u_n=\fbox{え}$、$v_n=\fbox{お}$である。また$a=c$のときは$t_n=n\times \fbox{か}$、$a\neq c$のときは$t_n=\dfrac{\fbox{き}}{a-c}$と書くことができる。
  • (2) $X^3=A$をみたす上三角行列$X=\left(\begin{array}{cc}x &y \\0 & z\end{array} \right)$が存在しないための必要十分条件は$\fbox{く}$、無数に存在するための必要十分条件は$\fbox{け}$、ただ1つ存在するための必要十分条件は$\fbox{こ}$である。
    選択肢
    • (イ) $b\neq 0$
    • (ロ) $|a|+|c|\gt 0$
    • (ハ) $a+c=0$かつ$b\neq 0$
    • (ニ) $a=b=c=0$
    • (ホ) $a\neq 0$かつ$c\neq 0$
    • (へ) $a\gt 0$または$c\gt 0$
    • (ト) $a\neq 0$かつ$b\neq 0$かつ$c\neq 0$
    • (チ) $a=c=0$かつ$b\neq 0$
  • (3) 3次式$f(X)=X^3+kX^2+lX+m$において$k^2-3l\lt 0$ならば、任意の実数$a$、$b$、$c$に対して$f(X)=A$をみたす上三角行列$X=\left(\begin{array}{cc}x &y \\0&z\end{array} \right)$がただ1つ存在することを示しなさい。ただし$f(x)$の係数$k$、$l$、$m$は実数であり、また$f(X)$は \[f(X)=X^3+kX^2+lX+mE\tag{Eは単位行列}\] により定義される行列である。