慶應義塾大学化学2013年第2問
水に関する以下の問いに答えなさい。
- 1.水$(\text{H}_2\text{O})$の密度を1.00g/cm3とする時、水のモル濃度を答えなさい。
- 2.水素$\text{H}$の同位体$\text{D}(^2\text{H})$を含む水は、重水素重水$(\text{D}_2\text{O})$あるいは半重水$(\text{DHO})$と呼ぶが、これら重水の密度はいくらになるか答えなさい。ただし、Dの原子量は2.00とし、$\text{D}_2\text{O}$および$\text{DHO}$は$\text{H}_2\text{O}$と同じ構造を取るものとする。
- 3.水だけを通す半透膜とU字管を用い、半透膜の一方に通常の水$(\text{H}_2\text{O})$を、他方に$1.00\times10^{-3}$mol/Lの$\text{NaCl}$水溶液を等量加えた。この時、$\text{NaCl}$水溶液側の水位が、水側の水位よりもh cmだけ高い位置に達して平衡となった。この実験を重水とこの重水を用いて調製した$1.00\times10^{-3}$mol/Lの$\text{NaCl}$重水溶液で行った場合、水位はどのようになると予想されるか、(ア)~(ウ)の中より選び、その理由を簡潔に答えなさい。
- (ア)h cmより高い
- (イ)h cm
- (ウ)h cmより低い
- 4.海水の淡水化法のひとつとして、半透膜の両側に海水と真水を置き、海水側に圧力を掛けることによって真水を製造する方法がある。
- (1)この方法の名称を答えなさい。
- (2)海水が重量濃度3.00%の$\text{NaCl}$水溶液(密度1.00g/cm3)のみで構成されているとして、淡水化に必要な最低圧力を答えなさい。ただし、浸透圧(Π)はファントホッフの式:Π=cRT(ただし、cは水溶液のモル濃度、Rは気体定数、Tは温度)により与えられるものとする。25℃として計算しなさい。