近畿大学物理2012年第3問

図1のような、ピストンが取り付けられた内径が一定のガラス管とおんさを使って、共鳴の実験をした。室温を$15.0\ {}^\circ\mathrm{C}$に設定し、管口の近くで振動数が681.0Hzのおんさを鳴らしながら、ガラス管の左端からピストンを引いていくと、管口からピストンまでの距離が$L_1$および$L_2~(L_1\lt{L_2})$[cm]のときに共鳴が起こって音が大きくなった。気温$\theta~[\ {}^\circ\mathrm{C}]$の空気中の音速は$331.5+0.6\theta$ [m/s]で与えられるものとし、開口端補正を考慮して、以下の問いに答えよ。
kinki-2012-physics-3-1
kinki-2012-physics-3-2
  • (1) 共鳴が起こっているとき、ガラス管内には音波の定常波ができている。図2の曲線は、ピストンの位置が管口から$L_2$[cm]のとき、ある時刻$(t=0$とする$)$における空気の振動のようすを横波で表現したものである。すなわち、空気の各点の $x$ 軸方向の変位を $y$ 軸方向にとって示してある。$T$[s]を振動の周期としたとき、時刻 $t=\dfrac{T}{4}$[s]、$t=\dfrac{T}{2}$[s]における空気の振動を図2と同じ表し方でグラフに描け。
  • (2) 図2で波の反射が起こっている場所として適切なものを記号(a)~(g)の中からすべて選んで答えよ。
  • (3) 図2で空気の圧力が最も高くなっている場所を記号(a)~(g)の中からすべて選んで答えよ。
  • (4) $L_2=37.0$cmのとき$L_1$[cm]を求めよ。
  • (5) ピストンの位置を管口から$L_2=37.0$cmの所に固定したまま、681.0Hz以外に共鳴を起こすおんさの振動数を小さい方から2つ書け。振動数の値は小数第2位を四捨五入して、小数第1位まで求めよ。開口端補正は振動数によらないとする。
  • (6) 681.0Hzのおんさに対して、ピストンの位置が管口から$L_2=37.0$cmの所に固定した状態から室温を上げて$50.0\ {}^\circ\mathrm{C}$にしたとき、ピストンの位置を調節して共鳴が起こり続けるように保った。ピストンの位置は$15.0\ {}^\circ\mathrm{C}$のときと比べてどちら向きに何cm移動したか。値は小数第2位を四捨五入して、小数第1位まで求めよ。ただしガラス管やピストンの熱膨張は無視できるものとし、開口端補正は温度によらないとする。