北里大学生物2012年第3問
染色体に関する以下の問に答えなさい。
- キイロショウジョウバエのだ腺染色体についての以下の問に答えなさい。
- (1) 細胞1個当たりのだ腺染色体の本数として最も適切な値を答えなさい。$\fbox{33}$
- (a) 3
- (b) 4
- (c) 5
- (d) 6
- (e) 7
- (f) 8
- (2) だ腺染色体についての記述として適切なものを答えなさい。$\fbox{34}$
- A.減数分裂の途中で停止していて、この染色体をもつ細胞の核相は複相である。
- B.減数分裂が終了していて、この染色体をもつ細胞の核相は単相である。
- C.相同染色体が対合している。
- D.各染色体の長さは分裂中期の二価染色体とほぼ同じである。
- E.細胞内では核膜に囲まれていない。
- (a) Aのみ
- (b) Bのみ
- (c) Cのみ
- (d) Dのみ
- (e) Eのみ
- (f) AとC
- (g) AとD
- (h) AとE
- (i) BとC
- (j) BとD
- (k) BとE
- (l) CとD
- (m) CとE
- (n) DとE
- (3) 右の図はキイロショウジョウバ工のだ腺染色体のスケッチである。図中の矢印で示された部分は他の部分に比べて膨らんでおり、横縞が不明瞭である。この部分の名称として最も適切なものを答えなさい。$\fbox{35}$
- (a) イントロン
- (b) エキソン
- (c) オペロン
- (d) パフ
- (e) プラスミド
- $\fbox{35}$が生じたとき、$\fbox{35}$の中で働くものとして適切なものを答えなさい。$\fbox{36}$
- A.遺伝子の調節タンパク質
- B.プライマー
- C.リボソーム
- D.ATP合成酵素
- E.DNAポリメラーゼ
- F.DNAリガーゼ
- G.RNAポリメラーゼ
- (a) Aのみ
- (b) Bのみ
- (c) Cのみ
- (d) Dのみ
- (e) Eのみ
- (f) AとB
- (g) AとC
- (h) AとD
- (i) AとE
- (j) AとF
- (k) AとG
- (l) BとC
- (m) BとD
- (n) BとE
- (o) BとG
- (5) 1本のだ腺染色体には、二重らせんのDNA鎖が約1000本含まれている。これはだ液腺細胞が核分裂せずにDNA複製をくり返したからである。最後の細胞分裂終了後、このだ腺染色体が形成されるまでに、DNAの複製が何回くり返されたか、最も適切な回数を答えなさい。ただし、1回の複製ごとにDNAの本数は倍加されるものとする。$\fbox{37}$
- (a) 5回
- (b) 6回
- (c) 7回
- (d) 8回
- (e) 9回
- (f) 10回
- (g) 11回
- (h) 12回
- (1) 細胞1個当たりのだ腺染色体の本数として最も適切な値を答えなさい。$\fbox{33}$
- 染色体の構造についての次の文を読み、以下の問に答えなさい。
ヒトのG2期の体細胞の核1個には$\fbox{38}$個のDNA分子が含まれている。これらすべての分子を二重らせん構造を保ったまま伸ばして縦につなげると、全長は約$\fbox{39}$mになり、塩基対の数は全部で約$\fbox{40}$億個になる。このように長いDNA分子を狭い核の中に収めるため、DNAは多数のヒストンに巻かれて存在しており、ヒストンに巻き付いている部分と、巻き付いていない部分が交互にくり返している、ヒストンは円盤状の形をしており、DNAは円盤の周囲を円を描くように取り囲んでいる。この状態のDNAをDNA分解酵素で処理すると、DNA分解酵素はヒストンに巻き付いている部分のDNAには作用せず、巻き付いていない部分のDNAだけを分解する。ヒストンとヒストンを結ぶ部分のDNAにはDNA分解酵素の作用を特に受けやすい箇所が1つあり、ヒストンからその位置までの距離は決まっている。DNA分解酵素で短時間だけ処理すると、作用を特に受けやすい箇所での切断がまず起こる。このとき、切断される場合と切断されない場合が生じ、短時間処理では塩基対の数にして200および200の倍数のDNA断片が多数得られる。さらに処理を続けると、ヒストンに巻き付いていない部分のDNAがほとんどヌクレオチドに分解され、ほぼ一定の長さのDNA断片が多数得られる。
- (1) 文中の$\fbox{38}$~$\fbox{40}$のそれぞれに当てはまる数値として最も適切なものを答えなさい。
- (a) 1
- (b) 2
- (c) 4
- (d) 22
- (e) 23
- (f) 30
- (g) 44
- (h) 46
- (i) 60
- (j) 66
- (k) 69
- (l) 88
- (m) 92
- (n) 120
- (o) 240
- (2) DNAは1つのヒストンに何回巻き付いているか、最も適切な値を答えなさい。ただし、DNAがヒストンに巻き付いた円盤状の構造体の直径を10nm、DNAの隣り合う塩基対間の距離を0.34nmとする。また、ヒストンとヒストンを結ぶ部分のDNAの塩基対の数は50未満である。$\fbox{41}$
- (a) 0.9
- (b) 1.7
- (c) 3.4
- (d) 4.5
- (e) 6.8
- (3) 下線部で示された二重らせんのDNA断片1本に含まれるリン原子の数として最も近い値を答えなさい。$\fbox{42}$
- (a) 20
- (b) 40
- (c) 80
- (d) 160
- (e) 240
- (f) 320
- (g) 400
- (h) 480
- (1) 文中の$\fbox{38}$~$\fbox{40}$のそれぞれに当てはまる数値として最も適切なものを答えなさい。
- 減数分裂における染色体の挙動についての以下の問に答えなさい。
- (1) メソデルの独立の法則が成り立つために必要となる条件を表した記述として適切なものを答えなさい。$\fbox{43}$
- A.乗換えが起こる染色体の場所は偶然によって決まる。
- B.染色体の乗換えは起こらない。
- C.減数分裂の第一分裂において、一方の紡錘体の極から伸びてきた紡錘糸がどちらの相同染色体の動原体に付着するかは偶然によって決まる。
- D.減数分裂の第一分裂において、一方の紡錘体の極から伸びてきた紡錘糸がどちらの相同染色体の動原体に付着するかはあらかじめ決まっている。
- E.減数分裂の第二分裂において、一方の紡錘体の極から伸びてきた紡鍾糸が縦裂した染色体に付いている2つの動原体のうち、どちらに付着するかは偶然によって決まる。
- F.減数分裂の第二分裂において、一方の紡錘体の極から伸びてきた紡錘糸が縦裂した染色体に付いている2つの動原体のうち、どちらに付着するかはあらかじめ決まっている。
- (a) Aのみ
- (b) Bのみ
- (c) Cのみ
- (d) Dのみ
- (e) Eのみ
- (f) Fのみ
- (g) AとC
- (h) AとD
- (i) AとE
- (j) AとF
- (k) BとC
- (l) BとD
- (m) BとE
- (n) BとF
- (2) アカパンカビの接合子は減数分裂を行って四分子を作るが、四分子のそれぞれの細胞はさらに体細胞分裂を行って8個の胞子となる。減数分裂は細長い子嚢(しのう)の中で行われるので、分裂中、および分裂後の細胞は一列に並び、途中で並ぶ順番が変わることはない。接合子がもつ一組の対立遺伝子をWと$\omega$とする。A~Fの図は子嚢の模式図で、黒丸は遭伝子Wをもつ胞子を表し、白丸は遺伝子$\omega$をもつ胞子を表す。以下の条件のとき、子嚢中の胞子の配列として適切なものをそれぞれ答えなさい。なお、同じ選択肢を複数回答えてもよい。
- (A) 遺伝子Wの存在する染色体で乗換えが起こらないとき$\fbox{44}$
- (B) 動原体と遺伝子Wの間の領域で一度だけ染色体の乗換えが起こるとき$\fbox{45}$
- (C) 動原体と遺伝子Wの間の領域外で一度だけ染色体の乗換えが起こるとき$\fbox{46}$
- (a) Aのみ
- (b) Bのみ
- (c) Cのみ
- (d) Dのみ
- (e) Eのみ
- (f) Fのみ
- (g) AとC
- (h) AとD
- (i) AとF
- (j) BとC
- (k) BとD
- (l) BとF
- (m) CとD
- (n) CとF
- (o) DとF
- (1) メソデルの独立の法則が成り立つために必要となる条件を表した記述として適切なものを答えなさい。$\fbox{43}$