日本大学物理2013年第5問

図のようなピストンが付いた断面積が$S$[m2]の断熱板で区切られた長さ$L$[m]の円筒容器がある。その左側部分を$\text{A}$、右側部分を$\text{B}$とする。また、$\text{A}$の内部には抵抗値$10\omega$の加熱用のヒーターが付いている。はじめ$\text{A}$、$\text{B}$それぞれに、圧力$P_0$[Pa]、温度$T_0$[K]の単原子分子の理想気体を封入した。このとき、断熱板は容器の中央にあり、断熱板と円筒容器の間には摩擦が無く、断熱板の厚さは無視できる。また、容器およびピストン、断熱板の熱容量も無視できる。気体定数を$R$[J/mol・K]とする。

nihon-2013-physics-5-1
  • 問1 $\text{A}$、$\text{B}$の気体の温度を一定の温度$T_0$[K]に保ったまま、ピストンに力を加え右に移動させ、$\text{A}$の気体の体積が10%増加したときに、ピストンを静止させた。このときピストンにかかっている力$F_0$[N]を求めなさい。

    $F_0=\left(\dfrac{\fbox{30}\fbox{31}}{\fbox{32}\fbox{33}}\right)P_0S$[N]
  • 問2 断熱板の位置が動かないように力$F$[N]を調節しながら$\text{A}$の内部にあるヒーターに一定の直流電圧を加え、$\text{A}$の気体をゆっくりと加熱した。ある温度$T_A$[K]で力$F$[N]を取り去っても断熱板は問1の静止した位置から動かなかった。ここでは気体と外部の間に熱の出入りはないとする。$\text{A}$の気体の温度$T_A$[K]を求めなさい。

    $T_A=\left(\dfrac{\fbox{34}\fbox{35}}{\fbox{36}}\right)T_0$[K]
  • 問3 問2でヒーターに加えた電圧が$5$Vのとき、$\text{A}$の気体を加熱した時間$t$[s]を求めなさい。

    $t=\left(\dfrac{\fbox{37}}{\fbox{38}\fbox{39}}\right)P_0SL$[s]