昭和大学物理2013年第3問
図のように、鉛直上向きで磁束密度の大きさ$B$の一様な磁界中に、2本の十分に長い直線導体レールを間隔$l$で平行に並べ、水平面に対して角度$\theta$となるよう固定した(ただし$0\lt\theta\lt\dfrac{\pi}{2}$とする)。導体レールの下端には、内部抵抗が無視できる起電力$E$の電池と、抵抗値$R$の抵抗が直列に接続されている。導体レールの上に長さ$l$、質量$m$の導体棒$\text{PQ}$をレールと直角をなすように載せた。導体棒$\text{PQ}$は常にレールに直角に接したままレールの上を運動できるものとし、レールおよび導体棒$\text{PQ}$の電気抵抗、レールと導体棒$\text{PQ}$の間の摩擦、回路の自己誘導は無視できるものとする。重力加速度の大きさを$g$としたとき、以下の問いに答えなさい。「計算欄」に計算も記しなさい。
- (1) 導体棒$\text{PQ}$を導体レールに載せ、手で支えて動かないようにした。このとき
- (a) 導体棒$\text{PQ}$に流れる電流の大きさを求めなさい。
- (b) 導体棒$\text{PQ}$が磁界から受ける力の大きさを求めなさい。
- (2) 電池の起電力が小さいとき、導体棒$\text{PQ}$は下降する。このとき誘導される起電力の向きは$\text{P}$→$\text{Q}$か、あるいは$\text{Q}$→$\text{P}$か。
- (3) 電池の起電力を$E_0$にしたとき、導体棒$\text{PQ}$は導体レール上で静止した。このとき
- (a) 導体棒$\text{PQ}$に流れる電流の大きさを求めなさい。
- (b) $E_0$の値を求めなさい。
- (4) 電池の起電力$E$が$E_0$より大きい場合、導体棒$\text{PQ}$はレールに沿って上向きに動き始める。そして十分に長い時間が経つと導体棒$\text{PQ}$は一定の速さで運動するようになる。このとき
- (a) 導体棒$\text{PQ}$に流れる電流の大きさを求めなさい。
- (b) 導体棒$\text{PQ}$の速さを求めなさい。