帝京大学生物2012年第4問

動物の細胞分裂に関する次の文を読み、以下の問いに答えなさい。

動物細胞のあるものは、その一部を取り出してペトリ皿に入れ、適切な条件下で培養すると、間期と分裂期に大別される細胞周期を繰り返しながら増殖を続ける。得られた細胞集団は. いったんばらばらにした後、その一部を新しいペトリ皿に移すことにより、繰り返し培養することができる。

  • 【実験1】 ある動物の細胞を同数入れたペトリ皿を複数枚用意して培養を始めた。実験開始時と開始後72時間経過した時点のペトリ皿を1枚ずつ取り出して全細胞数を数えたところ、表1に示す結果が得られた。また、培養中のある時期の細胞に固定と染色処理をおこない、顕微鏡で観察したところ、300個の細胞のうち25個が分裂期の細胞であった。
teikyo-2012-biology-4-1
  • 問1 下線部の細胞周期のうち、分裂期は染色体の構造変化などにもとづいてさらに前期・中期・後期・終期に分けることができる。各々の時期に観察される細胞の変化として適切なものを以下の(A)~(E)の中からすべて選び、記号で答えなさい。
    • (A) 染色体が凝縮して太く短くなる。
    • (B) 核膜が現れ始め、2個の娘核が形成される。
    • (C) 各染色体は分かれ、両極に移動する。
    • (D) 動原体に紡錘糸が付着する。
    • (E) 紡錘体が完成し、各染色体が赤道面に並ぶ。
  • 問2 実験1の結果をもとに、この動物の培養細胞の細胞周期の長さ(時間)を求めなさい。ただし、この細胞は一定の速度で増殖したものとする。また、答えが小数点を含む場合は、小数点第二位を四捨五入し、小数点第一位まで求めなさい。
  • 問3 実験1の結果をもとに、この培養細胞の分裂期の長さ(時間)を求めなさい。ただし、答えが小数点を含む場合は、小数点第二位を四捨五入し、小数点第一位まで求めなさい。
    • 【実験2】 細胞周期についてさらに詳しく解析するために、細胞周期の長さが20時間である別の動物の細胞を用いて培養を行い、各分裂過程における細胞数を数えたところ、表2に示す結果が得られた。また、同時期の染色体1本当たりのDNA量を測定し、各々のDNA量の染色体をもつ細胞数を数えてグラフ化したところ. 図のような結果が得られた。
  • teikyo-2012-biology-4-2
    teikyo-2012-biology-4-3
  • 問4 細胞周期のうち、間期はさらにG1期(DNA合成に備えて準備する時期)、S期(染色体複製の一環としてDNAを合成する時期)、およびG2期(分裂の準備期間)の3つに分けることができる。表2および図のグラフをもとに. G1期およびG2期の長さ(時間)を求めなさい。ただし、答えが小数点を含む場合は、小数点第二位を四捨五入し、小数点第一位まで求めなさい。