帝京大学化学2013年第4問

以下の各問いに答えなさい。
  • 問1 周期表を考えたメンデレーエフは、炭素やケイ素と同族で当時は未発見であった元素の存在を予言し、この原子1個と複数の塩素原子だけからなる化合物の分子量を予想した。その後この元素が発見されて、塩素との化合物の分子量は215と測定され、予想値とほぼ同じであった。この元素の原子量として最も適切なものを選び、a~fの記号で答えなさい。ただし、$\text{Cl}=35.5$とする。
    • a)38
    • b)73
    • c)109
    • d)119
    • e)144
    • f)180
  • 問2 酸と塩基に関する次の記述の中から正しいものをすべて選び、a~eの記号で答えなさい。ただし、該当するものがない場合は解答欄に×を記入しなさい。
    • a)酸や塩基の電離度は濃度によらない。
    • b)酢酸ナトリウム水溶液は弱酸性である。
    • c)$1.0\times10^{-4}$mol/Lの塩酸を水で104倍に薄めると、pHは8になる。
    • d)$1.0\times10^{-4}$mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液のpHは10になる。
    • e)アンモニア水と希硫酸の中和反応において中和点のpHは7である。
  • 問3 次の硫黄の単体や化合物の反応の中で、硫黄原子の酸化数の変化量が最も大きなものを選び、a~eの記号で答えなさい。
    • a)三酸化硫黄を水に溶かすと、硫酸になる。
    • b)単体の硫黄を燃やすと、二酸化硫黄が生成する。
    • c)硫化水素をヨウ素と反応させると、単体の硫黄が生成する。
    • d)銅に濃硫酸を加えて加熱すると、二酸化硫黄が生成する。
    • e)塩化バリウム水溶液に希硫酸を加えると、硫酸バリウムの沈殿が生成する。
  • 問4 脂肪族炭化水素に関する次の記述の中から誤りを含むものをすべて選び、a~fの記号で答えなさい。ただし、該当するものがない場合は解答欄に×を記入しなさい。
    • a)2-ブテンにはシス・トランス異性体が存在する。
    • b)鎖状の飽和炭化水素を総称してアルカンという。
    • c)炭素数が5のアルカンには、鎖状の構造異性体が3つ存在する。
    • d)エタン、エチレン、アセチレンの炭素原子間の結合の長さは同じである。
    • e)エチレンの2個の炭素原子と4個の水素原子はすべて同一平面上にある。
    • f)$\text{C}_n\text{H}_{2n}$($n$は2以上の整数)で表される鎖式炭化水素には、二重結合が1つある。
  • 問5 次の記述の中から正しいものをすべて選び、a~gの記号で答えなさい。ただし、該当するものがない場合は解答欄に×を記入しなさい。
    • a)原子核には、原子の質量の大部分が集まっている。
    • b)原子のもつ陽子の数は常に中性子の数に等しい。
    • c)電子殻のM殻は最大8個の電子を収容できる。
    • d)希ガスの最外殻電子の数は、すべて8個である。
    • e)$\text{Na}^+$、$\text{Li}^+$、$\text{K}^+$のうちで、イオン半径が最も大きいものは$\text{Na}^+$である。
    • f)質量数が12、13、14で、中性子の数がそれぞれ6、7、8の原子はすべて同じ元素である。
    • g)イオン化エネルギーとは、原子が1個の電子を放出して陽イオンになるときに放出するエネルギーのことである。
  • 問6 次の記述の中から遷移元素に該当するものをすべて選び、a~fの記号で答えなさい。ただし該当するものがない場合は解答欄に×を記入しなさい。
    • a)錯イオンや合金をつくるものが多い。
    • b)化合物、イオンに有色のものが多い。
    • c)最外殻電子の数は族の番号と一致する。
    • d)金属と非金属の占める割合が約半分ずつである。
    • e)単体の密度は一般に小さく、4g/cm3未満のものが多い。
    • f)$\text{Fe}^{2+}$、$\text{Fe}^{3+}$のように複数の陽イオンになったり、何種類かの酸化数をとる元素が多い。
  • 問7 次のハロゲン4種($\text{F}$、$\text{Cl}$、$\text{Br}$、$\text{I}$)に関する記述の中から正しいものをすべて選び、a~fの記号で答えなさい。ただし、該当するものがない場合は解答欄に×を記入しなさい。
    • a)単体は、いずれも水によく溶解する。
    • b)すべて単体として天然に存在する。
    • c)単体の沸点は、$\text{F}_2\gt \text{Cl}_2\gt \text{Br}_2\gt \text{I}_2$である。
    • d)単体は、いずれも常温・常圧において有色である。
    • e)水素との反応の起こりやすさは、$\text{F}_2\gt \text{Cl}_2\gt \text{Br}_2\gt \text{I}_2$である。
    • f)単体は、すべて二原子分子であり、常温・常圧において気体である。
  • 問8 次の記述の中から正しいものをすべて選び、a~hの記号で答えなさい。ただし、該当するものがない場合は解答欄に×を記入しなさい。
    • a)酵素はビウレット反応を示さない。
    • b)酵素は酸素がないとはたらかない。
    • c)酵素は反応溶液の温度が高いほどよくはたらく。
    • d)酵素は一度反応に関与すると分解されてしまう。
    • e)酵素は筋収縮のような生体反応にははたらかない。
    • f)酵素は生体触媒ともよばれ、生体外に取り出すとそのはたらきを失う。
    • g)基質と構造のよく似た物質は、酵素反応の阻害剤となる場合がある。
    • h)酵素には最適温度と最適pHがあり、このどちらかの条件が満たされない場合は反応速度が遅くなる。