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東京女子医科大学物理2013年第2問

普遍的な物理量であるエネルギーに注目することで、異なる分野の物理現象の間に類似性を見出すことができる。ここでは、コンデンサーにたくわえられる静電エネルギーと水槽にため込まれる水の位置エネルギーを対比して考える。以下の(A)、(B)の文中の空欄を埋め、(C)の問に答えよ。

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  • (A) コンデンサーの場合

    図1に示すように、電気容量CAのコンデンサーAと電気容量CBのコンデンサーBが電気抵抗RとスイッチSでつながれている。最初、スイッチは開かれており、コンデンサーAには電荷Q0がたくわえられているが、コンデンサーBの電荷は0であった。コンデンサーAの両端の電圧をV0とすると、Q0=m1V0と表せる。一般に、コンデンサーの電圧がVであるときに、さらにΔQの電荷をたくわえるのに必要なエネルギーをΔUeで表すと、ΔUe=2Vで与えられる。したがって、コンデンサーAの電圧がV0のとき、たくわえられている静電エネルギーUe0は、 Ue0=3Q0V0=4Q02 である。

    次に、スイッチを閉じると抵抗を通して微少な電流が流れ、コンデンサーAの電圧はゆっくり下降し、コンデンサーBの電圧はゆっくり上昇した。十分に時間が経過した後、2つのコンデンサーの電圧はともにV1になった。この場合、V1=5Q0と表せる。このとき、2つのコンデンサーにたくわえられている静電エネルギーの合計Ue1は、 Ue1=3Q0V1=6Q02 である。(1)式と(2)式の比較から、スイッチを閉じる前後の2つのコンデンサーにたくわえられた静電エネルギーの和の変化は、Ue1Ue0=7Q02と求められる。

  • (B) 水槽の場合

    図2に示すように、断面積がそれぞれSASBの円筒水槽ABが同一水平面上に鉛直に置かれており、ABは底の部分で栓のついた太さや体積の無視できる管でつながれている。最初、栓は閉じられており、水槽Aには水位(底面から水面までの高さ)h0まで水がため込まれているが、水糟Bは空であった。このとき、水糟Aにため込まれている水の質量M0は、水の密度をρとすると、M0=8h0と表せる。ここで、底面を基準とした水の位置エネルギーを考えることにしよう。一般に、水糟の水位がhであるときに、さらに質量ΔMの水をため込むのに必要なエネルギーをΔUwで表すと、重力加速度をgとすれば、ΔUw=hで与えられる。したがって、水槽Aの水位がh0のとき、ため込まれている水が持つ位置エネルギーUw0は、 Uw0=10M0h0=11M02 である。

    次に、栓を開けると水は水槽Aから水槽Bに静かに流れ、水槽Aの水位はゆっくり下降し、水槽Bの水位はゆっくり上昇した。十分に時間が経過した後、2つの水槽の水位はともにh1になった。この場合、h1=12M0と表せる。このとき、2つの水槽にため込まれている水の位置エネルギーの合計Uw1は、 Uw1=10M0h1=13M02 である。(3)式と(4)式の比較から、栓を開ける前後の2つの水槽にため込まれた水の位置エネルギーの和の変化は、Uw1Uw0=14M02と求められる。

  • (C) 以下の問に答えよ。
    • (1) (A)、(B)で考察したコンデンサーと水槽に関する現象を対比させたとき、両現象に現れた物理量の間の類似性を指摘せよ。
    • (2) スイッチを閉じる前後のコンデンサーにたくわえられた静電エネルギーの和の変化、および、栓を開ける前後の水槽にため込まれた水の位置エネルギーの和の変化はなぜ起こったのか、それぞれ説明せよ。