愛知医科大学生物2012年第3問

動物の浸透圧調節について、次の[A]と[B]に答えよ。
  • [A]生物は海で誕生し、生活環境を水中から陸上へと広げ、体制も単細胞から多細胞へと複雑にしてきた。それとともに体内の細胞を取りまく環境を一定に保つ仕組みを獲得した。体内の細胞は体液に浸されていて、環境から直接の影響を受けにくいようになっている。下のグラフは種々の動物の外界の浸透圧の変化に対する、体液の浸透圧の変化を表したものである。グラフを参考にして以下の各問に答えよ。
    1. 動物の進化過程において、水中生活から陸上生活に移り変わるときに、動物が直面したいくつかの困難な問題点がある。それは、( a )、( b )、( c )、浸透圧調節能力の獲得、老廃物の処理方法の改変、重力の作用の増大に対する体の支持構造の確立、急激な温度の変化に対する対応などである。a、b、cに入れるべき事柄は何か、それぞれ簡潔に記せ。
    2. 1の下線部の老廃物の処理方法の改変について、両生類(カエル)の個体発生と関連させて述べよ。
    3. 次の(a)~(e)の説明に該当するグラフを下のA~Fから1つずつ選び記号で記せ。
      • (a)高塩濃度では浸透圧を調節しなくても生きられるが、淡水中では生きられない
      • (b)低塩濃度では浸透圧調節ができるが、海水中では生きられない
      • (c)高塩濃度では浸透圧調節ができるが、淡水中では生.きられない
      • (d)低塩濃度では浸透圧を調節しなくても生きられるが、海水中では生きられない
      • (e)淡水から海水までの塩濃度の変化に対して浸透圧調節ができる
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    5. 次の(1)~(10)の記述のうち、海水魚だけに当てはまり、淡水魚には当てはまらないのはどれか、すべて選び番号で記せ。
      • (1) 周囲の水分を欲まない
      • (2) 周囲の水分を飲んで取り入れる
      • (3) えらから無機塩類を積極的に取り込む
      • (4) えらから無機塩類を積極的に排出する
      • (5) 腎臓では水の再吸収が抑制され、無機塩類の再吸収が促進される
      • (6) 腎臓では水の再吸収が抑制され、無機塩類の再吸収も抑制される
      • (7) 腎臓では水の再吸収が促進きれ、体液よりも低張の多量の尿が排出される
      • (8) 腎臓では水の再吸収が促進され、体液よりも低張の少量の尿が排出される
      • (9) 腎臓では水の再吸収が促進され、体液と等張の少量の尿が排出される
      • (10) 腎臓では水の再吸収が促進され、体液と等張の多量の尿が排出される
  • [B]ヒトの腎臓は背側に一対あり、血液中から老廃物をろ過して尿をつくるはたらきをしている。ろ過は腎小体で行われる。腎小体の糸球体の毛細血管に腎動脈から血液が送り込まれ、血しょう中の一部の成分を除いた残りがボーマン嚢へとろ過されて原尿となる。原尿中の必要な成分は細尿管(腎細管)を通る間に再吸収される。水や無機塩類はろ過された後に大部分が再吸収されるが、再吸収される量はいつも一定ではない。ナトリウムの再吸収は(  1  )から分泌される(  2  )により調節されており、水の再吸収は(  3  )から分泌される(  4  )により調節されている。なお、下の表はヒトの血しょう、原尿、尿の成分を比較したものである。以下の各問に答えよ。ただし、計算問題の答えは小数点以下を切り捨てて示せ。
    1. 上の文中の(  1  )~(  4  )に適切な語句を入れよ。
    2. 下の表からみて、尿の成分で最も濃縮された物質について、その濃縮率をもとめよ。
    3. 下の表からカリウムの再吸収の割合(%)をもとめよ。ただし、クレアチニンは再吸収されないものとする。
g/100ml
成分血しょう原尿尿
グルコース0.10.10
ナトリウム0.320.320.35
カリウム0.020.020.15
尿素0.030.032
クレアチニン0.0010.0010.075