獨協医科大学生物2013年第4問
アフリカツメガエルの発生に関する次の文(A・B)を読み、下の問1~6に答えなさい。〔解答番号$\fbox{1}$~$\fbox{6}$〕
A 2012年にノーベル賞を受賞したJ.B.ガードンは、アフリカツメガエルの未受精卵に紫外線を照射し、他の胚やオタマジャクシの体細胞核を移植して、成体まで発生した割合を調べ、図1の結果を得た。なお、グラフの縦軸の値は、移植後に胞胚まで達したものを総数としたときの割合である。
- 問1 下線部の操作を行った理由として最も適当なものはどれか。次の(1)~(4)のうちから一つ選びなさい。$\fbox{1}$
- (1)核を不活性化する。
- (2)卵黄の量を減少させる。
- (3)ミトコンドリアのはたらきを抑制する。
- (4)微小管を破壊する。
- 問2 図1の結果の解釈として誤っているものはどれか。次の(1)~(4)のうちから一つ選びなさい。$\fbox{2}$
- (1)移植に用いる核の遺伝子は、取り出す時期が早いほど正常にはたらく割合が高くなる。
- (2)分化が進行するほど核の遺伝子が発現しにくくなり、全能性は低下する。
- (3)発生の進行にともない遺伝子は少しずつ失われ、最終的に残った遺伝子で細胞は分化する。
- (4)分化の進んだ核にも受精卵の核と同様の発生に必要な能力が残っている。
B アフリカツメガエルのa発生過程を観察し、胞胚期になったところで、図2のように切断し、AとBを接着して培養したところ、Aからb脊索や筋肉などが分化した。このことから、$\fbox{ア}$胚葉が$\fbox{イ}$胚葉を$\fbox{ウ}$胚葉性の組織にc誘導することが明らかとなった。
- 問3 文中の$\fbox{ア}$~$\fbox{ウ}$にあてはまる語句の組み合わせとして最も適当なものはどれか。次の(1)~(4)のうちから一つ選びなさい。$\fbox{3}$
ア イ ウ (1) 外 内 中 (2) 外 中 内 (3) 内 外 中 (4) 内 中 外 - 問4 下線部aに関する記述として最も適当なものはどれか。次の(1)~(4)のうちから一つ選びなさい。$\fbox{4}$
- (1)1回目の卵割は動物極と植物極を結ぶ面で起こる緯割である。
- (2)卵割は植物極側で始まり、少しずつ動物極側に広がる。
- (3)3回目の卵割まで割球の大きさはすべて等しい。
- (4)灰色三日月環は精子の進入した場所と反対側の卵表面に現れる。
- 問5 下線部bに関する記述として最も適当なものはどれか。次の(1)~(4)のうちから一つ選びなさい。$\fbox{5}$
- (1)外胚葉から形成される。
- (2)神経胚で形成される。
- (3)ナメクジウオでは幼生期にのみ見られる。
- (4)ホヤでは幼生期に形成され、成体になっても見られる。
- 問6 下線部cに関する記述として誤っているものはどれか。次の(1)~(4)のうちから一つ選びなさい。$\fbox{6}$
- (1)イモリの眼の形成において、水晶体は表皮を角膜に分化させる。
- (2)イモリの原口背唇を他の初期原腸胚に移植すると、二次胚が形成される。
- (3)カエルの真皮や表皮は外胚葉から形成される。
- (4)カエルの外胚葉に、ある濃度のアクチビンAを作用させると筋肉などに分化する。