獨協医科大学物理2013年第2問
図のように、水平な床面上に床となす角度が$30^\circ$のなめらかな斜面をもつ三角台を固定し、斜面上に質量$m$の小物体$\text{P}$を置く。小物体$\text{P}$に軽くて伸び縮みしない糸の一端をつなぎ、この糸の他端を三角台の上端$\text{C}$に取り付けた軽くてなめらかな定滑車と軽くてなめらかな動滑車に通して天井に固定する。動滑車には、質量$2m$の小物体$\text{Q}$を軽くて伸び縮みしない糸でつるした。
最初、小物体$\text{P}$に斜面方向の力を加え、小物体$\text{Q}$の床からの高さが$l$となるようにして全体を静止させた。この状態における小物体$\text{P}$の斜面上での位置を点$\text{A}$とする。また、運動は図の鉛直面内のみで行われるものとし、重力加速度の大きさを$g$とする。
- 問1 全体を静止させた状態で、小物体$\text{P}$に加えている斜面方向の力の大きさはいくらか。正しいものを、次の1~6のうちから一つ選びなさい。$\fbox{1}$
- 1 $\dfrac{1}{6}mg$
- 2 $\dfrac{1}{4}mg$
- 3 $\dfrac{1}{2}mg$
- 4 $mg$
- 5 $\dfrac{3}{2}mg$
- 6 $2mg$
点$\text{A}$の位置で小物体$\text{P}$に加えていた力を除いて、$\text{P}$を静かに放したところ、$\text{P}$、$\text{Q}$が運動を開始した。小物体$\text{P}$、$\text{Q}$が運動を開始してから$\text{Q}$が床に着くまでの間、糸がたるむことはなかった。
- 問2 小物体$\text{P}$、$\text{Q}$が運動を開始してから$\text{Q}$が床に着くまでの間の$\text{P}$と天井をつないでいる糸の張力の大きさはいくらか。正しいものを、次の1~8のうちから一つ選びなさい。$\fbox{2}$
- 1 $\dfrac{1}{3}mg$
- 2 $\dfrac{1}{2}mg$
- 3 $\dfrac{2}{3}mg$
- 4 $\dfrac{5}{6}mg$
- 5 $mg$
- 6 $\dfrac{3}{2}mg$
- 7 $2mg$
- 8 $\dfrac{5}{2}mg$
小物体$\text{P}$が斜面上の点$\text{B}$に達した瞬間、小物体$\text{Q}$は床に達した。小物体$\text{Q}$は、これ以降、この位置で静止するものとする。
- 問3小物体$\text{P}$が運動を開始してから初めて点$\text{B}$を通過するまでに要した時間を$t_1$とする。$t_1$はいくらか。正しいものを、次の1~6のうちから一つ選びなさい。$\fbox{3}$
- 1 $\sqrt{\dfrac{3l}{g}}$
- 2 $2\sqrt{\dfrac{l}{g}}$
- 3 $\sqrt{\dfrac{6l}{g}}$
- 4 $2\sqrt{\dfrac{2l}{g}}$
- 5 $2\sqrt{\dfrac{3l}{g}}$
- 6 $3\sqrt{\dfrac{2l}{g}}$
小物体$\text{Q}$が床に達した後、糸はたるみ、小物体$\text{P}$は糸の張力を受けない状態で斜面上を滑り上がり、一旦静止した後、斜面上を滑り降りてきて再び点$\text{B}$に達した。この間、糸はたるんだままであり、糸も動滑車も小物体$\text{P}$の運動に影響しないものとする。また、斜面は十分長く、小物体$\text{P}$は上端$\text{C}$に達する前に折り返すものとする。
- 問4 小物体$\text{P}$が点$\text{B}$から単独で斜面上を運動し、再び点$\text{B}$に戻るまでに要した時間を$t_2$とする。$t_2$は問3で定めた$t_1$の何倍か。正しいものを、次の1~6のうちから一つ選びなさい。$\dfrac{t_2}{t_1}=\fbox{4}$
- 1 $\dfrac{1}{3}$
- 2 $\dfrac{1}{2}$
- 3 $\dfrac{2}{3}$
- 4 $1$
- 5 $\dfrac{4}{3}$
- 6 $\dfrac{3}{2}$