獨協医科大学物理2013年第3問

次の文章を読み、下の問1~4に答えなさい。〔解答番号$\fbox{1}$~$\fbox{4}$〕

図のように、空気中に水平に平板ガラスを置き、その上に左端どうしが接するようにもう1枚の平板ガラスをのせた。この接点を$\text{O}$とする。さらに、平板ガラス間の右端に厚さ$D$の薄いテープをはさんだ。このとき、点$\text{O}$からテープの左端までの距離は$L$であった。この状態で、上方から下側のガラス板に垂直に、空気中での波長が$\lambda$の単色光を当て、ガラス板の上方から反射光を観測したところ、明暗の干渉縞が見えた。これは、ガラス間の空気層の上端$\text{P}$で反射した光と下端$\text{Q}$で反射した光の干渉による現象である。ここで、光は屈折率の大きな媒質から小さな媒質に入射してその境界面で反射する場合には位相の逆転(位相が$\pi$ずれる)は生じないが、逆の場合には位相の逆転が生じる。ガラスの屈折率は空気の屈折率より大きいため、光が点$\text{P}$で反射する際には位相の逆転は生じないが、点$\text{Q}$で反射する際には位相の逆転が生じる。

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  • 問1 ガラス間の空気層の厚さが$d$となる位置が暗線となるための条件は、$d$、$\lambda$および整数$m(m=0,1,2,\cdots)$を用いてどのように表されるか。正しいものを、次の1~6のうちから一つ選びなさい。$\fbox{1}$
    • 1 $d=m\dfrac{\lambda}{4}$
    • 2 $d=(m+\dfrac{1}{2})\dfrac{\lambda}{4}$
    • 3 $d=m\dfrac{\lambda}{2}$
    • 4 $d=(m+\dfrac{1}{2})\dfrac{\lambda}{2}$
    • 5 $d=m\lambda$
    • 6 $d=(m+\dfrac{1}{2})\lambda$
  • 問2 暗線間隔は$λ\lambda$、$D$、$L$を用いてどのように表されるか。正しいものを、次の1~6のうちから一つ選びなさい。$\fbox{2}$
    • 1 $\dfrac{\lambda L}{4D}$
    • 2 $\dfrac{\lambda L}{2D}$
    • 3 $\dfrac{\lambda L}{D}$
    • 4 $\dfrac{\lambda D}{4L}$
    • 5 $\dfrac{\lambda D}{2L}$
    • 6 $\dfrac{\lambda D}{L}$

次に、このテープを点$\text{O}$から遠ざける方向に距離$\Delta L$だけ引き出したところ、暗線間隔が距離$\delta$だけ変化した。

  • 問3 暗線間隔の変化$\delta$は$\lambda$、$D$、$\Delta L$を用いてどのように表されるか。正しいものを、次の1~6のうちから一つ選びなさい。$\fbox{3}$
    • 1 $\dfrac{\lambda\Delta L}{4D}$
    • 2 $\dfrac{\lambda\Delta L}{2D}$
    • 3 $\dfrac{\lambda\Delta L}{D}$
    • 4 $\dfrac{3\lambda\Delta L}{2D}$
    • 5 $\dfrac{2\lambda\Delta L}{D}$
    • 6 $\dfrac{4\lambda\Delta L}{D}$
  • 波長が$\lambda=0.60\mu m$の光を用いたとき、テープを引き出す前に生じていた暗線間隔は$1.5mm$であった。この状態からテープを点$\text{O}$から遠ざける方向に$2.0cm$だけ引き出したところ、暗線間隔は$1.6mm$となった。

    • 問4 テープの厚さ$D$は何$\mu m$か。正しいものを、次の1~8のうちから一つ選びな さい。$\fbox{4}\mu m$
      • 1 $10$
      • 2 $25$
      • 3 $30$
      • 4 $40$
      • 5 $50$
      • 6 $60$
      • 7 $100$
      • 8 $200$