福岡大学化学2012年第2問
次の文を読み、下の問1~問3に答えよ。
酸化・還元は広く電子の授受という立場で定義できる。
原子やイオンが電子を失い、あが増加すれば、その原子やイオンはいされたといい、逆に電子を受け取り、あが減少すれば、その原子やイオンはうされたという。
酸化還元反応において、酸化剤は電子を受け取りやすく、うされやすい物質であり、反応によって酸化数がえする。これに対して、還元剤は電子を相手に与えやすく、いされやすい物質であり、反応によって酸化数がおする。
過酸化水素H2O2はふつうかとして作用するが、過マンガン酸カリウムKMnO4との反応ではきとして作用する。過酸化水素水に過マンガン酸カリウムの希硫酸溶液を加えると、次のような酸化還元反応が起こる。
2MnO4−+5H2O2+6H+→2Mn2++5O2+8H2O- 問1 文中の空欄あ~きに最も適する語句を次の(11)~(25)から選び、番号で答えよ。
- (11) 増加
- (12) 縮合
- (13) 酸化
- (14) 減少
- (15) 還元
- (16) 酸化数
- (17) 原子
- (18) 中和
- (19) 配位数
- (20) 酸化剤
- (21) 還元剤
- (22) 中和剤
- (23) 放出
- (24) 結合
- (25) 質量数
- 問2 (A)式において、酸化還元反応に関与した元素を元素記号で答えよ。また、それらの元素の酸化数の変化を正負の符号をつけて記せ。
- 問3 次の実験を行った。下の問(a)および(b)に答えよ。
- 実験 濃度不明の過酸化水素水1.0mLに少量の希硫酸を加えて酸性にした。これに0.050mol/Lの過マンガン酸カリウム水溶液を滴下すると、はじめのうちは、過マンガン酸イオンの赤紫色がすぐに消えたが、7.0mL加えたところで、溶液が薄い赤紫色を示した。
- (a) この過酸化水素水のモル濃度はいく らか。有効数字2桁で答えよ。
- (b) この過酸化水素水の質量パーセント濃度はいくらか。有効数字2桁で答えよ。ただし、原子量はH=1.0、O=16とし、過酸化水素水の密度は1.0g/cm3とする。
- 実験 濃度不明の過酸化水素水1.0mLに少量の希硫酸を加えて酸性にした。これに0.050mol/Lの過マンガン酸カリウム水溶液を滴下すると、はじめのうちは、過マンガン酸イオンの赤紫色がすぐに消えたが、7.0mL加えたところで、溶液が薄い赤紫色を示した。