福岡大学生物2013年第4問

ヒトの糖の利用と血糖調節に関する次の文章を読み、問1~問6に答えよ。

ヒトが摂取した(1)炭水化物が消化管で消化されてグルコースができる。そのグルコースは体内に吸収される。このグルコースは血液を介して各組織の細胞に運ばれ、図1に示す好気呼吸の過程で、ATP生産の主要な基質として利用される。そのため、血液中のグルコース濃度(血糖濃度)はエネルギー供給に大きな影響を与えるので、血糖濃度はほぼ一定の範囲に保たれるように調節されている。食事などで血糖濃度が上昇すると、(2)過剰なグルコースは主に肝臓の細胞に取り込まれ、形を変えて貯蔵される。一方、激しい運動などで血糖濃度が低下すると、貯蔵されていたグルコース成分が血液中に放出され、血糖濃度が回復する。(3)この調節には内分泌系や自律神経系がはたらいている。

fukuoka-2013-biology-4-1
  • 問1 下線部(1)について、炭水化物がデンプンの場合、その消化の最終過程ではたらく酵素を答えよ。
  • 問2 図1の過程Ⅲが進む細胞小器官の名称を解答欄Aに答えよ。また過程Ⅲはその細胞小器官のどの部分で進むか。その名称を解答欄Bに答えよ。
  • 問3 図1の過程Ⅰ~過程Ⅲのそれぞれで、グルコース1分子を基質として正味何分子のATPが得られるか。次の(イ)~(二)から適切な組み合わせを選び、記号で答えよ。
    • (イ)過程Ⅰで4分子、過程Ⅱで2分子、過程Ⅲで32分子
    • (ロ)過程Ⅰで2分子、過程Ⅱで4分子、過程Ⅲで32分子
    • (ハ)過程Ⅰで2分子、過程Ⅱで2分子、過程Ⅲで34分子
    • (ニ)過程Ⅰで2分子、過程Ⅱで6分子、過程Ⅲで30分子
  • 問4 1gのグルコースが図1の3つの過程を経て完全に分解されたとき、使われた酸素と放出される二酸化炭素はそれぞれ何gか。酸素については解答欄Aに、二酸化炭素については解答欄Bに小数第2位を四捨五入して答えよ。ただし水素、炭素、酸素の原子量はそれぞれ、1、12、16とする。
  • 問5 下線部(2)における貯蔵型の物質は何か。
  • 問6 下線部(3)に関して、図2中の(a)~(c)のグラフは、健康な人が食事した後の、血液中のグルコース濃度の変化とその調節のために膵臓から分泌される2種類のホルモンの濃度変化を示している。それぞれの変化を示す物質の組み合わせとして適切なものを、次の(イ)~(へ)から選び、記号で答えよ。
    fukuoka-2013-biology-4-2
    • (イ)(a)グルカゴン (b)インスリン (c)グルコース
    • (ロ)(a)インスリン (b)グルカゴン (c)グルコース
    • (ハ)(a)グルコース (b)グルカゴン (c)インスリン
    • (ニ)(a)グルカゴン (b)グルコース (c)インスリン
    • (ホ)(a)インスリン (b)グルコース (c)グルカゴン
    • (へ)(a)グルコース (b)インスリン (c)グルカゴン