兵庫医科大学生物2013年第8問
次の文を読み、(1)から(10)の問いに答えよ。
地球の誕生は約46億年前で、誕生からおよそ6億年後に最初の生命が出現したと考えられている。約27億年前の地層からその存在が確認されるラン藻類は、(a)海水中に酸素を放出した。(b)その後、酸素は大気中に蓄積されるようになった。環境中に酸素がふえると、(c)好気性細菌が大いに繁栄する一方、嫌気性細菌の多くは死滅するか好気性細菌のすめない嫌気的な環境でのみ生存するようになった。約20億年前に原核生物から真核生物が進化したと考えられている。約10億年前には多細胞生物が出現したが、この時代の多細胞生物は、小形のものがほとんどであった。(d)約7億年前の寒冷期を過ぎて、多細胞生物の大形化が進んだ。約6億年前の地層からは( ア )動物群と呼ばれる動物の化石がみつかっている。古生代最初のカンブリア紀になると、( イ )動物群の化石から推測されるような多種多様な大形動物が急増した。カンブリア紀末期に出現した最初の脊つい動物は、(e)無ガク類である。
- (1)( ア )と( イ )を適切な語句で埋めよ。
- (2)下線部(a)の酸素は、海水中のある物質と反応した。その物質は何か。
- (3)当時の地層から(2)の反応の痕跡を確認することができる。反応の痕跡とは何か。
- (4)下線部(a)から下線部(b)になったのはなぜか。60字以内で説明せよ。
- (5)下線部(c)になったのは、エネルギーを得るうえで好気呼吸が嫌気呼吸よりも優れているためである。どのように優れているのか、45字以内で説明せよ。
- (6)近年では、生物全体を3つのグループに分ける考え方が提唱されている。この分類では、原核生物は2つのグループ(ドメイン)に分けられている。この2つのドメイン名を答えよ。
- (7)下線部(d)の赤道付近の大陸まで氷河でおおわれるような寒冷期を何というか。漢字4文字で答えよ。
- (8)( ア )動物群の時期には存在しなかった強い捕食性をもった大形動物が、( イ )動物群の時期に出現したと考えられている。この考えの根拠を、45字以内で述べよ。
- (9)下線部(e)に属する現生の動物名を1つあげよ。
- (10)魚類のあごは、下線部(e)の何から進化したのか。