兵庫医科大学生物2012年第5問

以下の大腸菌における遺伝子発現調節に関する文章を読み、(1)から(3)の問いに答えよ。

通常、大腸菌はラクトースが培地に加えられると、ラクトースを分解する酵素を作り出して炭素源として利用する。ラクトースがない状態ではこの酵素はつくられない。この現象は次のように説明できる。ラクトースを分解するためのいくつかの酵素の遺伝子は、DNA上でひとかたまりに並んでおり、まとめて転写の調節を受ける。この遺伝子群の(ア)に結合する(イ)は、別の場所にある(ウ)から常につくられている。ラクトースがない培地では、(イ)が(ア)に結合するために、転写は非常に起きにくい。ラクトースがある培地では、(イ)が(エ)と結合し、(イ)が(ア)に結合するのが妨げられるので、酵素遺伝子群の転写が起こる。

  • (1) (ア)~(エ)に適当な文字を入れよ。
  • (2) 下線部のような遺伝子のまとまりを何と呼ぶか。
  • (3) 通常の大腸菌に、紫外線を照射して遺伝子突然変異を起こしたところ、ラクトースを含まない培地上でもラク トースを分解するための酵素を合成する大腸菌突然変異株が得られた。この突然変異株では、どこに生じた、どのような変異があると考えられるか、述べよ。