兵庫医科大学生物2012年第7問

以下の酵素に関する2つの文章(文章1と文章2)を読み、(1)から(10)の問いに答えよ。
(文章1)

酵素は(ア)特定の物質のみlこ作用する性質をもち、(イ)加熱したり酸やアルカリで処理すると酵素活性が低下したり失活することが知られている。酵素の作用は生物の生命力(生きた細胞)からきりはなせるという考え方が認められたのは、1890年代にドイツのブフナーが酵母のしぼり汁によって発酵が起こることを示した実験以後である。

さて、酵母のしぼり汁を入れたセロハン紙の袋を2つ用意し、下図に示すように、一方は流水が常に流れるビーカーにつけ、他方は水を貯めたままのビーカーにつけた。数時間後の、ビーカーの水と袋の中の液をそれぞれ、[1]液、[2]液、[a]液、[b]液とした。

hyogoika-2012-biology-7-1
hyogoika-2012-biology-7-2
  • (1) 酵素がもつ下線部(ア)の性質を何というか。
  • (2) 下線部(イ)について、
    • (2-1) 酵素はどのような物質か、1つ選べ。
      • A. 核酸
      • B. 脂質
      • C. 炭水化物
      • D. タンパク質
      • E. 無機塩類
    • (2-2) 温度やpHによって、(2-1)の何が影響を受けて酵素活性が変化するのか。
  • (3) 上記の操作のように、セロハン紙のような半透膜を用いて粒子の大きさで物質を分離する方法を何というか。
  • (4) もとのしぼり汁に含まれ、酵素とともに働く比較的分子量の小さな有機物を何というか。
  • (5) 図の2つのビーカーに含まれる4種類の液体から2つを選んで混合した後に、グルコース水溶液に加えると発酵が起こる可能性があるものをすべて選べ。
    • A. [a]液+濃縮した[1]液
    • B. [a]液+濃縮した[2]液
    • C. 煮沸した[a]液+濃縮した[1]液
    • D. [a]液+煮沸し濃縮した[1]液
    • E. 煮沸した[a]液+濃縮した[2]液
    • F. [a]液+煮沸し濃縮した[2]液
(文章2)

カタラーゼは動物の血液や肝臓に多く含まれ、体内に侵入した有毒物質を酸化してとり除くのに役立っている。カタラーゼは、さまざまな物質を酸化するだけでなく、(ウ)過酸化水素を分解する。また、酸化マンガン(IV)も過酸化水素を分解することができる。カタラーゼも酸化マンガン(IV)も、触媒として作用するためである。

さて、3%過酸化水素水を5ml入れた試験管[1]~[3]を用意し、試験管[1]にはブタの肝臓片を、試験管[2]には酸化マンガン(IV)を、試験管[3]にはブタの肝臓片をカタラーゼが壊れないようにすりつぶして入れた。これらを25℃に置き、時間を追って気泡発生量を測定した。試験管[1]の場合、以下のグラフのようになり、(エ)$t$秒経過した後は新たな気泡の発生が見られなくなった。このときの気泡発生量をvmlとした。

hyogoika-2012-biology-7-3
  • (6) 下線部(ウ)の化学反応式を書け。
  • (7) 試験管[1]と[3]で用いた肝臓片は同じ質量であるにもかかわらず、発生する気泡の量が異なっていた。
    • (7-1) 気泡が多く発生したのはどちらの試験管か。
    • (7-2) その理由を述べよ。
  • (8) 下線部(エ)のようになるのはなぜか。理由を述べよ。
  • (9) 3%過酸化水素水を5ml入れた試験管[4]を新たに用意した。$t$秒経過した後の肝臓片を試験管[1]から取り出し、試験管[4]に入れ、気泡の発生を観察した。
    • (9-1) このとき発生する気泡の様子として正しいのはどれか、1つ選べ。
      • A. 気泡は発生しない。
      • B. [1]とほぼ同じ量の気泡が発生する。
      • C. [2]とほぼ同じ量の気泡が発生する。
      • D. [3]とほぼ同じ量の気泡が発生する。
      • E. [1]から[3]のどれよりも多く気泡が発生する。
    • (9-2) その理由を簡潔に述べよ。
  • (10) 試験管[1]の実験を、以下の(10-1)~(10-3)の条件に変えて反応させた場合、どうなるか。それぞれについて、解答欄のグラフに加えて書け。
    • (10-1) 反応温度を25℃から35℃に上げた場合。
    • (10-2) 過酸化水素濃度を3%から6%に増やした場合。
    • (10-3) 表面積が半分になるように肝臓片を小さく切って入れた場合。
    〔解答欄〕
hyogoika-2012-biology-7-4
hyogoika-2012-biology-7-5
hyogoika-2012-biology-7-6