岩手医科大学生物2012年第1問

つぎの文の(a)~(k)に適語を入れ、(1)~(4)の問いに答えなさい。ただし、(a)~(k)に入る語はすべて異なる。
  • A.イギリスの医者(a)は、肺炎双球菌の非病原性(b)型菌と、加熱殺菌した病原性(c)型菌を混ぜてネズミに注射すると、 ネズミの血液中に(c)型菌が増殖してくることを発見した。
  • B.エイブリー(アベリー)らは、(c)型菌のどのような成分がAでみられた変化を起こすかを調べたところ、(c)型菌のみがもつカプセルの成分である(d)はその原因ではないことがわかった。その後、(c)型菌から抽出したいくつかの成分をそれぞれ(b)型菌と混ぜて培義したところ、(e)を主成分とする抽出液が(b)型菌を(c)型菌に変えることがわかった。つぎに、抽出液を種々の分解酵素で処理したものをそれぞれ(b)型菌と混ぜて培義すると、(e)を分解する酵素で処理したもののみが(b)型菌を(c)型菌に変えなかった。このような結果は、抽出液中の(e)が遺伝子の本体であることを強く示唆した。
  • C.ハーシーとチェイスは、特殊な方法でバクテリオファージを構成する2種類の成分を標識し、標識したバクテリオファージを大腸菌に感染させる実験を行って、大腸菌の中に入る成分から遺伝子の本体を明らかにした。
  • D.シャルガフは、いろいろな生物から(e)を抽出し、これらを構成する4種類の塩基の量を分析して、塩基の数の割合は生物によって異なるが、どの生物においても塩基の数がほぼ等しい2組があることをみつけた。一方、ウィルキンスらは(e)分子に(f)をあてて写真をとり、(e)分子が細長い化合物で、(g)構造をしていることを示唆した。
  • E.Dの結果から、アメリカの生物学者(h)とイギリスの物理学者(i)は(e)の分子模型を作製し、(j)構造をしていることを提唱した。この模型によると、(e)は(k)という構成単位が多数つながった鎖2本でできており、それらの鎖は塩基どうしの弱い結合でつながっていた。
  • (1) Aでみられた肺炎双球菌の変化を何といか。
  • (2) Cで標識した成分は(e)の他に何か。
  • (3) Eの下線部の塩基の結合のうち、RNAに含まれない塩基と相補的に結びつく塩基は何か。アルファベットの略号で答えなさい。
  • (4) ある生物の(e)の塩基組成を調べたところ、グアニンとシトシンの合計が総塩基数の44%であった。また、2本鎖(それぞれの鎖を$+$鎖と$-$鎖とする)の$+$鎖の塩基数の30%がアデニン、20%がシトシンであった。$-$鎖の塩基数の何%がアデニンか。