関西医科大学生物2012年第3問

ヒトの体細胞における核とDNAに関する次の文章を読んで、下の問1~5に答えなさい。

DNAの二重らせん構造は、構成単位である$\fbox{ア}$がつながった2本の鎖が平行に並んで、らせん状にからみ合った形をしている。$\fbox{ア}$は、$\fbox{イ}$、$\fbox{ウ}$、$\fbox{エ}$から構成されているが、$\fbox{イ}$と$\fbox{ウ}$は互い違いにくり返して結合し、DNAの外側の骨格部分を構成している。$\fbox{エ}$は骨格の$\fbox{ウ}$から内側につき出しており、それぞれの鎖から出た2つの$\fbox{エ}$が$\fbox{オ}$と呼ばれる独特の対をなしている。このような構造を持つDNAの長さは細胞の大きさに比べて桁違いに長い。そのため細胞の中のDNAはまっすぐな直線状ではなく、$\fbox{カ}$などと結合して折れ曲がり、非常に凝縮した状態で、核膜で囲まれた核の中に存在している。

  • 問1 文章中の空らん$\fbox{ア}$~$\fbox{カ}$にもっともよく当てはまる語句を次の<語群>の中から1つずつ選び出し、番号(1~19)で答えなさい。
    <語群>
    • 1. アクチン
    • 2. アミノ酸
    • 3. 塩 基
    • 4. グルコース
    • 5. 恒常的
    • 6. シトクロム
    • 7. 染色体
    • 8. 相補的
    • 9. デオキシリボース
    • 10. ヌクレオチド
    • 11. 半保存的
    • 12. ヒストン
    • 13. ピルビン酸
    • 14. ペプチド
    • 15. ポリヌクレオチド
    • 16. ポリペプチド
    • 17. リボース
    • 18. リン酸
    • 19. リン脂質
  • 問2 下線部の独特の対とは具体的にどのようなものか説明しなさい。
  • 問3 下線部に関する次の説明文(A~G)の中で正しいものを3つ選び出し、記号(A~G)で答えなさい。
    • A. この対はシャルガフが調べた結果を説明できるものである。
    • B. この対はDNAとRNAとの関係にも当てはまる。
    • C. この対はRNAとRNAとの関係にも当てはまる。
    • D. この対はRNAとタンパク質との関係にも当てはまる。
    • E. この対からDNA複製のメカニズムが明らかになった。
    • F. この対から遺伝暗号が解読された。
    • G. この対が変化すると突然変異が起こることがある。
  • 問4 ヒトの場合1つの核内にあるDNAをすべてつなげると、その長さは1.8メートルくらいになると考えられている。またヒトのゲノムには下線部の独特の対が約30億対存在する。するとDNAにおける各対と対の間の距離は平均何メートルになると考えられるか、 これらの値から計算して指数形式で答えなさい。
  • 問 5 次の文章(1~7)のうち誤っているものをすべて選び出し、番号(1~7)で答えなさい。
    • 1. DNAは核の中でヌクレオソームという基本構造を構成している。
    • 2. 核の内側はカリウムイオン、外側はナトリウムイオン濃度が高い。
    • 3. 核膜の基本的な構造は細胞膜と同じである。
    • 4. 核の中で働くタンパク質の大部分は核内で合成される。
    • 5. 核膜は細胞分裂時には一時的に消失する。
    • 6. スプライシングが起こった後のRNAは核外に出て行く。
    • 7. 筋細胞(筋繊維)は多数の核を持っている。