関西医科大学生物2012年第4問

次の実験Aと実験Bに関して、下の問1~4に答えなさい。

<実験A>

ある植物の葉にスクロース溶液と適当な緩衝液を加えて破砕した。この細胞破砕液を遠心管に入れ、次の図のように遠心力の強さを段階的に上げながら4回の遠心分離を行った。ただしこの破砕処理と遠心処理によって、各細胞小器官は破砕されないものとする。(図中の$g$は重力の大きさを基準とした遠心力の大きさを表す。)

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<実験B>

上の実験Aで得られた上澄み(1)~(4)の一部を抜き取り、シュウ酸鉄(Ⅲ)を加えてから空気を抜いてガラス器具内に密封した。これらの上澄みに光を照射して色の変化を観察した。

  • 問1 実験Aの沈殿(1)を電子顕微鏡で観察したところ、おもな構造物はところどころに穴のあいた二枚の膜で囲まれた円形のものであった。(1)この構造物は何と呼ばれているか。(2)またこの構造物を説明する正しい文章を次の(a)~(j)の中から2つ選び出し、記号(a~j)で答えなさい。
    • (a) おもにDNAとタンパク質からなる。
    • (b) 好気呼吸の場である。
    • (c) 物質の運搬を行う。
    • (d) ATP合成酵素が多く存在している。
    • (e) 光合成を行う。
    • (f) おもにRNAとタンパク質からなる。
    • (g) クロロフィルをふくむ。
    • (h) 細胞全体の代謝を調節している。
    • (i) タンパク質の合成を行う。
    • (j) $\text{O}_2$の消費量がもっとも多い。
  • 問2 実験Aの沈殿(3)を電子顕微鏡で観察したところ、おもな構造物は二枚の膜で囲まれた楕円形のもので、内膜は内側につき出してひだを形成していた。(1)この構造物は何と呼ばれているか。(2)またこの構造物を説明する正しい文章を問1の(a)~(j)の中から3つ選び出し、記号(a~j)で答えなさい。
  • 問3 実験Bにおいて上澄み(1)~(4)のうち色が変化したのはどれか。すべて選び出して番号(1~4)で答えなさい。
  • 問4 実験Bで上澄みの色が変化した反応について、正しく説明しているものを次の文章(a~k)の中から4つ選び出し、記号(a~k)で答えなさい。
    • a. $\text{CO}_2$が分解された。
    • b. $\text{H}_2\text{O}$が分解された。
    • c. 色素が分解された。
    • d. $\text{O}_2$が発生した。
    • e. $\text{CO}_2$が発生した。
    • f. $\text{H}_2$が発生した。
    • g. シュウ酸鉄(Ⅲ)が還元された。
    • h. シュウ酸鉄(Ⅲ)が酸化された。
    • i. この反応はヒルによって発見された。
    • j. この反応はカルビンによって発見された。
    • k. この反応はルーベンによって発見された。