関西医科大学化学2013年第1問
次の文章を読み、問1~問7に答えなさい。
1669年に(1)尿の中からはじめて見出されたリンは、生物にとって非常に重要な元素の一つである。
自然界において、リンは単体で存在しないとされているが、リン酸カルシウムを原料にして、その単体を得ることができる。よく知られている単体として、極めて反応性の高い( ア )や、マッチの原料ともなる( イ )などがあるが、その他の種類の単体も存在している。
( ア )は、空気中で酸化されて、強力な乾燥剤の一つである( ウ )を生じる。(2)( ウ )に水を加えて煮沸すると、一般にリン酸と呼ばれるオルトリン酸を得ることができる。
また、リンには質量数の異なる( エ )の存在も知られているが、いずれも不安定で、$^{31}\text{P}$の天然存在比は100%である。しかし、人工的に作られた(3)質量数が32である$\underline{^{32}\text{P}}$は放射性の( エ )であり、20世紀後半における( オ )の研究に大きな貢献をした。
- 問1 下線部(1)に示されているように、尿の中に一日あたり1g程度のリンが、リン酸イオンとして排出されている。リン酸が電離して生成するリン酸のイオンをすべてイオン式で書きなさい。
- 問2 文中の( ア )~( エ )に入るもっとも適切な語句をそれぞれ解答欄(ア)~(エ)に、( ウ )についてはその分子式も合わせて解答欄(ウ)に答えなさい。
- 問3 ( オ )に入る最も適切な語句を下から選び、その記号で答えなさい。
- a.糖質
- b.タンパク質
- c.核酸
- d.中性脂肪
- 問4 ( ア )と( イ )のような関係にある物質を互いに何というか答えなさい。
- 問5 下線部(2)の反応を反応式で表しなさい。
- 問6 $^{32}\text{P}$の原子番号、陽子数、中性子数、最外殻電子数をそれぞれ解答欄(ⅰ)~(ⅳ)に答えなさい。
- 問7 ( ア )について、その分子式を知るために以下の実験をおこなった。
100gのベンゼンに0.620gの( ア )を溶解して、その凝固点を測定したところ、凝固点が純粋なベンゼンの5.40℃から5.14℃に変化した。この実験から( ア )の分子量および、分子式を解答欄(ⅰ)、(ⅱ)にそれぞれ答えなさい。また、この分子の形はどのような形をしているか、解答欄(ⅲ)に答えなさい。ただし、ベンゼンのモル凝固点降下を5.20Kとする。