ある有機化合物Aがある。この化合物の組成を調べるために、化合物Aを2.32g量り取り、この化合物を完全に燃焼したところ、5.28gの二酸化炭素と2.16gの水のみが生成し、残渣は存在しなかった。また、この化合物0.691gを三角フラスコに量り取り、0.400mol/lの50.00ml水酸化ナトリウム水溶液を加えて、加熱したところ、化合物Aは完全に加水分解されて、酢酸イオンと1価のアルコールBになった。この加水分解された溶液に_（あ）フェノールフタレインを指示薬として加えて、1.000mol/lの塩酸で滴定したところ、14.10ml加えた時点で、溶液が無色となった。

さらに、加水分解してできるアルコールBの性質を調べた。このアルコールBを注意深く酸化すると、まず化合物Cが生成され、この化合物Cは銀鏡反応を示した。また、アルコールBに濃硫酸を加えて加熱すると化合物Dが生成し、この化合物Dを白金の存在下で水素と反応させると、枝分かれした飽和炭化水素Eが生成した。

• 問1　化合物Aの組成式を答えなさい。
• 問2　化合物Aの分子量を有効数字3桁で答えなさい。
• 問3　化合物Aの示性式を示しなさい。
• 問4　下線部（あ）で示した指示薬として、フェノールフタレインの代わりにメチルオレンジを用いた場合、色調が完全に変化するのは、1.000mol/lの塩酸をいくら加えたときとであると予想されるか、下の選択肢から選び記号で答えなさい。
  • （ア）14.10mlより少なく加えたとき
  • （イ）14.10ml加えたとき
  • （ウ）14.10mlより多く加えたとき
• 問5　化合物B、C、D、Eをそれぞれ解答欄（B）～（E）に構造式で答えなさい。ただし、構造式の中にメチル基がある場合は、$\text{CH}_3-$と表しなさい。