関西医科大学化学2012年第2問

硫酸銅(Ⅱ)について次の2つの実験を行った。これらの実験に関連して、下の問1~問6に答えなさい。
  • [実験1] (ア)$\underline{濃度0.04\text{mol}/lの硫酸銅(Ⅱ)水溶液}$があった。この溶液$50\text{m}l$をビーカーにとり、水を$50\text{m}l$加えた。この溶液に水酸化ナトリウム水溶液を少量($100\text{m}l$に対して無視することができる量)加えただけで沈殿が生じた。さらに水酸化ナトリウム水溶液を加えてよく混合しても沈殿が溶解することはなかったが、この沈殿にアンモニア水を加えてよく混ぜると(イ)沈殿は溶解した
  • [実験2] (ウ)青色の硫酸銅(Ⅱ)の結晶があった。この結晶の水和水の状態を調べるために、この結晶を細かく砕いてから1.66g量り取り、その結晶をシャーレ上に薄く広げて115℃に保たれた乾燥機に入れた。平衡に達した後に白色になった粉末を乾燥機から取り出し、(エ)注意深く室温まで冷却し、粉末の重さを測定したところ、1.19gになっていた。この粉末をさらに乾燥機に入れ、温度を250℃まで上げて十分な時間放置した後、(オ)同様に室温まで冷却し、白色の粉末の重さを測定した。(カ)その重さは1.07gであり、無水塩になっていることが分かった
  • 問1 [実験1]の下線部(イ)で起こっている反応を反応式で書きなさい。
  • 問2 [実験1]の下線部(ア)の水溶液を$5\text{m}l$ずつ7本の試験管にとり、それぞれの試験管に下に示した7種類の化合物が$0.20 \text{mol/}l$の濃度に調整された水溶液を別々に$5\text{m}l$ずつ加えてよく混合した。そのときに沈殿を生じる水溶液は7種類の化合物のうちどれか、沈殿が生じるものをすべて選び、A~Gの記号で答えなさい。
    • (A) 酢 酸
    • (B) 硫 酸
    • (C) 酢酸ナトリウム
    • (D) 炭酸ナトリウム
    • (E) 硫酸ナトリウム
    • (F) 炭酸水素ナトリウム
    • (G) 硫酸水素ナトリウム
  • 問3 [実験1]の下線部(ア)の水溶液を$10\text{m}l$ずつ6本の試験管にとり、それぞれの試験管に下に示した6種類の物質の小片を別々に入れたとき、銅が析出するものがあった。銅が析出するのはどの小片を加えたときか、銅が析出するものをすべて選びなさい。答えは、A~Fの記号で書きなさい。
    • (A) 亜 鉛
    • (B) アルミニウム
    • (C) 硫 黄
    • (D) 銀
    • (E) 黒 鉛
    • (F) 鉛
  • 問4 [実験2]の下線部(カ)の粉末に含まれる硫酸銅(Ⅱ)の物質量を有効数字3桁で答えなさい。
  • 問5 [実験2]の下線部(エ)または(オ)で冷却するときに、十酸化四リン(五酸化ニリン)を用いた。これを用いてどのように冷却すればよいか簡単に説明しなさい。また、なぜそのようにしないといけないのか、その理由も合わせて答えなさい。
  • 問6 [実験2]の結果から、下線部(ウ)の硫酸銅(Ⅱ)の組成式を示すとともに、この結晶の水和水の結合状態などについてどのようなことがわかるかを答えなさい。