関西医科大学物理2012年第2問

分子にマイクロ波を吸収させると分子の温度を上げることができる。それを利用したものが電子レンジである。水はマイクロ波をよく吸収し、マイクロ波加熱に理想的な物質である。マイクロ波領域の電磁波が水を含んだ食品に加わると、マイクロ波の電気エネルギーは熱エネルギーに変換される。電子レンジは熱エネルギーによって食品を温める。マイクロ波の電気エネルギーはマイクロ波の振幅が大きいほど大きくなる。電子レンジの模式図を図に示す。電子レンジの中では、金属製の一方の壁に取り付けられた発信器からマイクロ波が水平方向から上下$\pm60^\circ$の方向に発信され、金属製の壁で反射して、それらが干渉し、定常波を作っている。マイクロ波の空気中での屈折率を1、マイクロ波の周波数を2,450メガヘルツ(MHz)として以下の問に答えよ。なおマイクロ波の金属壁での反射は、固定端とみなしてよい。また光速は$3.0\times10^8 \text{m/s}$である。
  • (1) マイクロ波の波長$\lambda$は何mか。
  • (2) 金属の壁の高さ$a$、横幅$b$を求めよ。ただし$a$、$b$とも15cmより大きく、30cmより小さい。
  • (3) 電子レンジのなかに台を置き、その上にステーキ肉を置いて温めたところ、全く温まらなかった高さがあった。それは図のA~Eのどの位置においたときか。考えられる場所をすべて答えよ。ただし台の影響は無視できるとする。またA~Eは高さ方向に等間隔に取られている。
  • (4) 一方、ステーキ肉が温まったところ(ホットスポット)がところどころできた場所は、図のA~Eのどの位置か。考えられる場所をすべて答えよ。
  • (5) マイクロ波は、電子レンジの他にも様々なところで利用されている。そのうち主なものを二つあげよ。
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