慶應義塾大学物理2012年第2問
摩擦に関する以下の問に答えよ。必要ならば以下の公式を用いよ。
\[\sin(A+B)=\sin{A}\cos{B}+\cos{A}\sin{B}\]
\[\cos(A+B)=\cos{A}\cos{B}-\sin{A}\sin{B}\]
\[\tan(A+B)=\dfrac{\tan{A}+\tan{B}}{1-\tan{A}\tan{B}}\]
斜面に物体をのせ、斜面の傾斜角度をゆっくりと大きくしていったところ、ある角度$\phi$で物体が滑り出した。重力加速度の大きさを$g$、物体と斜面との静止摩擦係数を$\mu$、物体の質量を$m$とする。
- 問1 この角度$\phi$の名称を書け。
- 問2 $\phi$を用いて$\mu$を表せ。
- 問3 $F$を少しずつ大きくしていったところ、ある大きさの時、物体が動き始めた。このときの$F$を$W$、$\theta$、$\phi$を用いて表せ。
- 問4 問3で求めた$F$を物体に加え、物体を斜面に沿ってゆっくり上向きに動かした。この過程における仕事の効率、すなわち、物体が得た位置エネルギーと物体を動かすために力$F$がした仕事との比(0~1の値になる)を$\theta$、$\phi$を用いて表せ。
- 問5 $\theta=\phi$のとき、仕事の効率の最大値を有効数字2桁で求めよ。ただし、$0.01\leqq\tan\phi\leqq1$とする。
- 問6 図2に示すように、物体$m$が静止している状態で水平な力$f$を少しずつ大きくしながら物体に加えたところ、物体が斜面に沿って下向きに動き始めた。このときの$f$を$W$、$\theta$、$\phi$を用いて表せ。