［実験1］臭素溶液に化合物Aを加えると直ちに臭素の色が消失した。

［実験2］化合物Aに白金を触媒として水素を反応させると、高級脂肪酸$(\text{C}_{11}\text{H}_{23}\text{COOH})$が得られた。

［実験3］化合物Aに酸化剤Z^（注2）を反応させると、アジピン酸、プロピオン酸、マロン酸$(\text{HOOCCH}_2\text{COOH})$が1：1：1の比率で得られた。

［実験4］化合物Aに硫酸を触媒としてメタノールを反応させてから、実験3と同様に酸化剤Z^（注2）を反応させると、プロピオン酸とマロン酸以外に、アジピン酸のカルボキシ基の片方だけがメチルエステルとなった化合物が得られた。

• （a）実験1および実験2に共通する反応名を答えよ。
• （b）実験2の反応では、1molの化合物Aに対して反応した水素分子は何molか。
• （c）化合物Aの構造として妥当な幾何異性体の構造式をすべて示せ。

（注2）酸化剤Zは$\text{NaIO}_4$に$\text{KMnO}_4$を加えた酸化剤で、アルケンの炭素－炭素二重結合に対して次の通りの反応を行う。 \[\text{R}-\text{CH}=\text{CH}-\text{R'}\overset{Z}{\longrightarrow}\text{R}-\text{COOH}+\text{R'}-\text{COOH}\]

• アセトン
• エタノール
• エチレン
• ジエチルエーテル
• シクロヘキサン
• ジメチルエーテル
• ニトロベンゼン
• 乳酸
• ヘキサン
• メタノール

• （a）芳香族化合物である
• （b）$\text{Na}$と反応して水素を発生する
• （c）ヨードホルム反応が陽性である
• （d）フェーリング液を還元する
• （e）互いに構造異性体である
• （f）不斉炭素を有する
• （g）還元したものの水溶液は塩基性を示す
• （h）エタノールを硫酸と160℃以上に加熱すると生成する