近畿大学化学2012年第1問
次の問(1)~問(3)に答えよ。
- 問(1) 以下の記述で正しいものには$\bigcirc$をつけよ。間違っている場合には下線部を正しい記述に直せ。
- (a) 周期表では、左上にいくほど元素の陽性が強くなる。
- (b) 希ガスは、電気陰性度が大きいので陽イオンになりにくい。
- (c) 硝酸は工業的にはアンモニアの空気酸化により作られる。この過程で窒素の酸化数の変化量は+5である。
- (d) 塩素を水酸化カルシウムに吸収させて作られるさらし粉は、過塩素酸イオンを含むために酸化作用を示す。
- (e) 炭酸水素ナトリウムは塩基性塩で、その水溶液は弱塩基性を示す。
- 問(2) 気体の発生を伴う以下の実験を行ったときの化学反応式を書け。また、発生したそれぞれの気体100mLを1Lの水中に吹き込んだときの水溶液のpHが小さいものから順に並べ、(a)から(d)の記号で答えよ。
- (a) 硫酸に亜鉛を加えた。
- (b) 食塩を濃硫酸に加え、その混合物を加熱した。
- (c) 硫酸アンモニウムと水酸化ナトリウムの混合物を加熱した。
- (d) 熱濃硫酸に銅を加えた。
- 問(3) 中和滴定法で食酢中の酢酸濃度を決定するために次の実験を行った。以下の問いに答えよ。ただし、有効数字は3桁とせよ。
(実験) シュウ酸二水和物の結晶$\text{C}_2\text{H}_2\text{O}_4\cdot2\text{H}_2\text{O}$のある重さを正確に秤量し、0.0500mol/Lのシュウ酸標準溶液100mLを調製した。このシュウ酸標準溶液から$\fbox{ア}$を用いて正確に10.0mLをコニカルビーカーに移し、少量のフェノールフタレインを指示薬として加えた後、$\fbox{イ}$に入れた濃度未知の水酸化ナトリウム水溶液で滴定したところ、終点までに11.3mLを要した。次に、食酢10.0mLを$\fbox{ア}$を用いて$\fbox{ウ}$に移し、これに水を加えて正確に100mLとした。この水溶液10.0mLを$\fbox{ア}$を用いてコニカルビーカーに移し、先と同様の操作で上記の水酸化ナトリウム水溶液を用いて滴定したところ、終点までに8.20mLを要した。
- (a) 0.0500mol/Lのシュウ酸標準溶液100mLを調製するのに必要なシュウ酸二水和物は何gか。計算式も示せ。
- (b) 一連の操作を行うのに適切な実験器具$\fbox{ア}$~$\fbox{ウ}$の名称を答えよ。
- (c) この水酸化ナトリウム水溶液のモル濃度はいくらか。計算式も示せ。
- (d) この食酢中に含まれる酸が全て酢酸であるとして、そのモル濃度を求めよ。計算式も示せ。
- (e) この食酢の密度を$1.05\text{g}/\text{cm}^3$としたとき、含まれる酢酸の質量パーセント濃度を求めよ。計算式も示せ。