近畿大学生物2012年第1問
細胞の内部と外部を分ける仕切りは、約10nmの厚さの細胞膜である。細胞膜はおもに$\fbox{ア}$と$\fbox{イ}$からなる。$\fbox{ア}$には親水性の部分と疎水性の部分があり、2層に並んだ$\fbox{ア}$が、$\fbox{ウ}$性の部分を外側に、$\fbox{エ}$性の部分を内側にして向かいあっている。細胞膜にはさまざまな種類の$\fbox{イ}$が浮かぶように組み込まれており、$\fbox{ア}$の二重層の中を移動することができる。これを、細胞膜の$\fbox{オ}$性という。核や、$\fbox{カ}$、$\fbox{キ}$などの$\fbox{ク}$の膜は、細胞膜と同じような構造をしているので、これらを合わせて$\fbox{ケ}$と呼ぶ。
$\fbox{ア}$からなる人工の二重層は、大きな分子やイオンなどをほとんど通さない。一方、(1)細胞膜はグルコースや特定のイオンを通すことができる。これは、特定の分子やイオンの出入りを調整する$\fbox{コ}$が細胞膜に組み込まれているからである。
ある物質は、濃度の高い方から低い方へ移動することによって細胞膜を通過する。このような物質の移動を$\fbox{サ}$という。$\fbox{サ}$には、細胞膜を貫通している$\fbox{イ}$で形成された$\fbox{シ}$と呼ばれる通路が関係している。Na+やK+など特定のイオンを通す$\fbox{シ}$は、受容器や神経などにおける情報伝達に重要な役割を果たしている。一方、(2)細胞膜が特定の物質を濃度差に逆らって積極的に移動させることがある。このような輸送にはエネルギーが必要であり、これを$\fbox{ス}$という。細胞が死ぬとエネルギーが供給されなくなるので、$\fbox{ス}$は停止する。
細胞膜には、細胞外からの情報を受け取る働きもある。細胞の多くは、周囲の環境変化や細胞自身の変化を情報と して受容し、受容した情報に応じてさまざまな活動を行う。その際、他の細胞などに情報を伝える$\fbox{セ}$を生成して、分泌する場合がある。$\fbox{セ}$には、神経系で働く$\fbox{ソ}$、内分泌系で働く$\fbox{タ}$、免疫系で働く$\fbox{チ}$などがある。
- 問1. 文章中の$\fbox{ア}$~$\fbox{チ}$に入る最も適切な語句を、解答欄に記入せよ。
- 問2. 下線部(1)のような性質を何と呼ぶか。6字以内で答えよ。
- 問3. 下線部(2)のしくみによって、赤血球内と血しょうの間で、イオンの濃度についてどのような違いが生じているか。35字以内で答えよ。また、そのような違いを生じさせる$\fbox{コ}$の名称を15字以内で答えよ。