久留米大学生物2012年第2問

次の$[~\text{I}~]$、$[~\text{I}\hspace{-.1em}\text{I}~]$について答えよ。
  • $[~\text{I}~]$植物体内で作られ、他の部分に連ばれて、微量で植物体の成長や生理的なはたらきを調節する物質を植物ホルモンとよぶ。植物ホルモンのうち化学構造がわかっているものには、オーキシン、エチレン、草丈の成長を促進するはたらきを持つ( 1 )、細胞分裂を促進するはたらきを持つ( 2 )、発芽を抑制するはたらきをもつ( 3 )などがある。これらの植物ホルモンの他に、光周性を示す植物において葉で合成されて( 4 )の形成に関与する植物ホルモン( 5 )が存在していると考えられている。
    エチレンは化学構造がわかっている植物ホルモンの中で、唯一 ( 6 )の植物ホルモンである。そのため、エチレンはそれをつくる植物体においてだけではなく、その体外へも放出されて他の植物体にもさまざまな影響を及ぼすことができる。バナナ、リンゴなどの果実においては、呼吸が盛んになって( 7 )の放出が著しく高まる時期があり、その後(a)多量のエチレンが生成されて、果実の( 8 )が促進され、色や固さ、香りおよび味等が変化する
    (b)またエチレンは、果実や( 9 )などの植物の器官を茎から脱離させるために各器官の付け根の部分に( 10 )とよばれる組織を形成する際に促進的にはたらくが、オーキシンはこの場所にある細胞のエチレンに対する感受性を低下させることで器官の脱離を防いでいる。(c)これらの器官の脱離が起こるときには、セルロースを分解する酵素、すなわちセルラーゼの活性が著しく上昇することが知られている
    • 問1. 上の文中の( 1 )~( 10 )に適切な用語を記入せよ。
    • 問2. 下線部(c)で述べられているセルラーゼの活性の上昇は、下線部(a)で述べられている現象、および下線部(b)で述べられている器官の脱離の2つの現象とどのように関係するかを90字以内で述べよ。
  • $[~\text{I}\hspace{-.1em}\text{I}~]$オーキシンやエチレンは茎の成長過程に関与して、その伸長を制御することが知られている。暗所で育てたアズキの芽生えから茎の切片を切り出して、それを暗所において、密閉された容器中に入れたそれぞれ濃度の異なるオーキシン溶液に浮かべて培養した。培養終了時の切片の長さの増加率および切片によって生成されたエチレンの量を調べたところ、図1のような実験結果がえられた。
    kurume-2012-biology-2-1
    • 問3. 切片の長さの増加率が最大となるオーキシンの濃度を境にして、オーキシン濃度が増加すると切片の長さの増加率が徐々に低下する。その理由について90字以内で述べよ。