久留米大学生物2012年第4問

次の文を読み、以下の問いに答えよ。

DNAとして存在する遺伝子をRNAへと写しとる( 1 )の過程の基本的な部分は、全ての生物で共通している。しかし真核生物ではDNAにある遺伝子の塩基配列中に、伝令RNAの塩基配列に対応する( 2 )とよばれる部分と塩基配列に対応しない( 3 )とよばれる部分があり、( 1 )によって伝令RNAが合成される際には、DNAから写しとられたRNAのうち( 3 )に対応する部分が( 4 )内で切り取られ( 2 )に対応する部分がつなぎ合わされる。この過程を( 5 )という。( 5 )が正常に行われないと、疾患の原因となることがある。

ジストロフィン遺伝子はX染色体上に存在するヒト最大の遺伝子であり、進行性筋ジストロフィーの原因遺伝子として知られている。遺伝子がコードするタンパク質に異常が生じると筋ジストロフィーを発症する原因となることがある。ある筋ジストロフィーの男児患者において、ジストロフィン遺伝子より写しとられた伝令RNAの塩基配列を調べたところ、図3に示したようにタンパク質をコードしている部分のうちの中ほどの242塩基が欠失していることがわかった。これはRNAの( 5 )が正常に行われなかったために起こる。男児患者の伝令RNAの塩基配列は欠失している箇所以外には、健常者の伝令RNAの塩基配列と違いが存在しないこともわかった。

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  • 問1. 文中の( 1 )~( 5 )に適切な語句を記入せよ。
  • 問2. 図3の下線部はどのようなDNAの塩基配列から写しとられているか。鋳型として使われるDNA鎖およびもう一方のDNA鎖の塩基配列をそれぞれ記せ。
  • 問3. 図4はRNAからタンパク質へ翻訳するときに用いられる遺伝暗号表である。この男児患者の伝令RNAが翻訳されてできるジストロフィンタンパク質は正常のジストロフィンタンパク質と比較してどのようになっているか。理由を付して90字以内で答えよ。
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