久留米大学化学2012年第2問

炭素、水素、酸素からなる有機化合物$\bf\text{A}$にナトリウムを加えたところ水素が発生した。酸素気流下、17.2gの有機化合物$\bf\text{A}$を完全に燃焼させ、生じた気体を塩化カルシウム管とソーダ石灰管に通じたところ、燃焼後のそれぞれの管の重量は18.0gと44.0g増加していた。ニッケル触媒の存在下、21.5gの有機化合物$\bf\text{A}$に水素を吹き込んだところ、標準状態で5.60Lの水素が付加し、有機化合物$\bf\text{B}$を与えた。このとき有機化合物$\bf\text{A}$中に含まれていた不斉炭素原子は消失した。有機化合物$\bf\text{A}$に臭素を付加させると有機化合物$\bf\text{C}$が生じ、これに引き続き硫酸酸性の二クロム酸カリウムを作用させたところ、有機化合物$\bf\text{D}$が生じた。以下の問いに答えよ。ただし、各化合物は環状構造を含まないものとする。
  • (1) 有機化合物$\bf\text{A}$の分子式を求めよ。
  • (2) 有機化合物$\bf\text{A}$~$\bf\text{D}$の構造を、下記の例にならって記せ。さらに、その構造式において不斉炭素原子がある場合には、その炭素原子の上に* をつけて示せ。ただし、立体異性体の区別については考慮しなくてよい。
    kurume-2012-chemistry-2-1
  • (3) 有機化合物$\bf\text{C}$は4種類の立体異性体を生じる。その理由を15字以内で答えよ。ただし句読点は字数に含めない。