久留米大学化学2012年第4問

グルコースとフルク トースは$\text{C}_6\text{H}_{12}\text{O}_6$の分子式で表される代表的な単糖である。結晶中のグルコース分子は六員環構造をもつα‐グルコースとβ‐グルコースの2極類の立体異性体と して存在している。水溶液中では、この2種類の他に少量の鎖状構造の分子が共存し3種類の異性体が平衡状態にある。フルクトースも水溶液中では六員環構造や鎖状構造をとり、さらに五員環構造の異性体も存在して、それらが図のような平衡状態にある。
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糖質では一般に六員環構造のことをピラノース形といい、五員環構造のことを( ア )形という。鎖状のグルコース分子は( イ )基をもつため、水溶液は還元性を示す。フルクトース分子には( イ )基はないが、その水溶液はグルコースと同様に還元性を示す。2分子のα‐グルコースがそれぞれのヒドロキシ基間で脱水縮合した二糖は( ウ )と呼ばれる。この( ウ )の水溶液はグルコース同様に還元性を示す。一方、α‐グルコースとβ‐フルクトースが脱水縮合してできた二糖は( エ )と呼ばれるが、この( エ )の水溶液は還元性を示さない。以下の問いに答えよ。
  • (1) ( ア )~( ウ )に当てはまる適切な語句を記せ。
  • (2) 図中のAとBの構造式を図中の構造式にならって記せ。
  • (3) 鎖状構造Xはそのままでは還元性を示さないが、水溶液中で容易に鎖状構造Yという構造に変化できるため、還元性を示すようになる。鎖状構造Yの構造式を鎖状構造Xの構造式にならって記せ。
  • (4) 下線部において、共に還元性を示す2分子の単糖が縮合してできた二糖にも関わらず、( エ )の水溶液が還元性を示さない理由を( エ )の名称を含めて簡潔に記せ。