杏林大学生物2013年第2問
遺伝に関する以下の文章(A、B)を読み、問1~10について答えよ。
- A 下記表は、ある生物から分離した4種類の核酸における各塩基の割合を示したものである。
(T:チミン、G:グアニン、C:シトシン、A:アデニン、U:ウラシル) 表T G C A U (1) 0.20 0.28 0.16 0.36 0.00 (2) 0.28 0.22 0.22 0.28 0.00 (3) 0.00 0.28 0.16 0.36 0.20 (4) 0.36 0.16 0.28 0.20 0.00 - 問1 2本鎖DNA分子は、どれか、(1)~(4)から1つ選べ。$\fbox{ア}$
- 問2 伝令RNA分子は、どれか、(1)~(4)から1つ選べ。$\fbox{イ}$
- 問3 上記の伝令RNAが転写される時に鋳型となった1本鎖DNAはどれか、(1)~(4)から1つ選べ。$\fbox{ウ}$
- 問4 真核生物のゲノムDNAについて誤っているものは、以下の(1)~(6)のどれかすべて選べ。$\fbox{エ}$
- (1)唾腺染色体のパフとして観察される場所は、ほとんどがDNA複製している状態である。
- (2)水溶液中の2本鎖DNAを100℃で加熱すると、1本鎖DNAにすることが出来る。
- (3)DNAの二重らせんは、通常左巻きである。
- (4)DNAを含む溶液に約2倍量のエチルアルコールを加えると、DNAは通常壊れる。
- (5)DNAは、通常環状である。
- (6)DNAは、RNAと比べて安定である。
- 問5 ある種の紫外線によってDNAに変化が起こる。以下の(1)~(5)から、最も適当なものを1つ選べ。$\fbox{オ}$
- (1)チミン同士の結合
- (2)グアニン同士の結合
- (3)1塩基置換
- (4)1塩基の欠失
- (5)1塩基の挿入
- 問6 ヒトの正常な染色体構成を持つ両親から、染色体総数が47本で性染色体がXYYの子供が生まれた。どうしてこのような染色体突然変異が生じたのか。以下の(1)~(5)から最も可能性の高いものを1つ選べ。$\fbox{カ}$
- (1)母親の減数第1分裂期の染色体不分離
- (2)母親の減数第2分裂期の染色体不分離
- (3)父親の減数第1分裂期の染色体不分離
- (4)父親の減数第2分裂期の染色体不分離
- (5)受精後の接合子における体細胞分裂期の染色体不分離
- B ショウジョウバエの純系(1)~(5)を用いて連鎖実験を行った。まず、(1)、(2)、(3)の雌に(4)の雄を交配し、得られたF1の雌雄を交配してF2を得た。表現型別にF2の出現個数を以下の表に示した。この表を参考にして問7~10に答えよ。なお、大文字は優性の遺伝子で小文字は劣性の遺伝子である。
- (1)[abC]
- (2)[Abc]
- (3)[aBc]
- (4)[ABC]
- (5)[abc]
親の交配 (2)[Abc]の雌×(4)[ABC]の雄[ABC] [abC] [AbC] [aBC] 雌 20 20 5 5 雄 18 22 4 6
親の交配 (3)[aBc]の雌×(4)[ABC]の雄[ABC] [Abc] [ABc] [AbC] 雌 17 18 8 7 雄 19 16 6 9 [ABC] [aBc] [ABc] [aBC] 雌 23 22 3 2 雄 21 24 2 3 - 問7 A、B、C(又は、a、b、c)の遺伝子は、どの染色体上にあるか。以下の(1)~(5)から1つ選べ。$\fbox{キ}$
- (1)3遺伝子とも同じ常染色体上にある。
- (2)3遺伝子ともX染色体上にある。
- (3)3遺伝子ともY染色体上にある。
- (4)3遺伝子は、すべて異なる染色体上にある。
- (5)この結果からでは、どの染色体上にあるか決められない。
- 問8 3遺伝子の染色体上の並びは以下のどれか。下記の(1)~(4)から1つ選べ。$\fbox{ク}$
- (1)3遺伝子は、連鎖していないので、染色体上の並びは決められない。
- (2)A-B-C
- (3)A-C-B
- (4)B-A-C
- 問9 次に(5)[abc]系統の雌と(4)[ABC]の雄を交配し、上記と同様にF1同士を交配しF2を得た。F2の中で2重組換え個体の表現型はどれか。以下の(1)~(8)からすべて選べ。$\fbox{ケ}$
- (1)ABC
- (2)ABc
- (3)AbC
- (4)Abc
- (5)aBC
- (6)aBc
- (7)abC
- (8)abc
- 問10 2重組換え個体は、全体の何パーセント出現すると期待されるのか答えよ。なお、干渉は無いとし、小数点第2位を四捨五入した値を入れよ。2重組換え個体の割合:$\fbox{コ}$$\fbox{サ}$.$\fbox{シ}$%
例えば、12.0%の場合は、$\fbox{1}$$\fbox{2}$.$\fbox{0}$%とし、1.2%の場合は、$\fbox{0}$$\fbox{1}$.$\fbox{2}$%とする。