日本大学生物2013年第1問

アフリカツメガエルの発生に関する文章を読み、問い(問1~5)に答えなさい。

卵に精子が侵入した後、卵表層が回転して灰色三日月環が生じる。第一卵割では多くの場合、動物極側から灰色三日月環を二分するように卵割が起こり、第二卵割は第一卵割面に直交して起こる。

下の図は、発生にともなう卵のDNAとRNA(伝令RNA:mRNA、運搬RNA:tRNA、リボソームRNA:rRNA)合成量を受精後からオタマジャクシになるまで追跡した結果である。

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  • 問1 4細胞期に第二卵割面で切断し、それぞれの半胚を培養する実験を行った。どのような半胚がもっとも多く発生してくると予測されるか。解答には、同じものを使ってもよい。$\fbox{1}$、$\fbox{2}$
    • (1) 正常な胚
    • (2) 腹部断片
    • (3) 背側構造が強調された胚
    • (4) 一部欠損したほぼ正常な胚
    • (5) 表皮のかたまり
    • (6) 胞胚で発生停止(永久胞胚)
  • 問2 灰色三日月環の植物極側に隣接した細胞質は、細胞分化をコントロールする物質を含みニューコープセンターとよばれる。ニューコープセンターに関する正しい記述はどれか。$\fbox{3}$
    • (1) 灰色三日月環の胚域に外胚葉を誘導する。
    • (2) 灰色三日月環の胚域に中胚葉を誘導する。
    • (3) 陥入し、接した外胚葉に神経を誘導する。
    • (4) 陥入し、接した外胚葉に脊索を誘導する。
    • (5) 原口背唇部になり、灰色三日月環の胚域に表皮を誘導する。
    • (6) 原口背唇部になり、灰色三日月環の胚域に神経を誘導する。
  • 問3 前ページのグラフにおいて、受精後からDNA合成量が急激に上昇することに関する正しい説明はどれか。$\fbox{4}$
    • (1) 細胞周期のS期が短縮されるから。
    • (2) 細胞周期がG1期とG2期だけになるから。
    • (3) 細胞周期のM期が短縮されるから。
    • (4) 細胞周期のG1期とG2期が短縮されるから。
    • (5) 細胞周期のG1、S、G2、Mの各期が短縮されるから。
  • 問4 グラフから推測して、受精卵の核がもつ遺伝子の発現が始まると考えられる時期はどれか。$\fbox{5}$
    • (1) 受精直後から桑実胚期の前まで
    • (2) 桑実胚期
    • (3) 胞胚期
    • (4) 原腸胚期
    • (5) 神経胚期
    • (6) 神経胚期の後
  • 問5 受精後のタンパク質の合成量を測定して、核酸の合成量のグラフに加えるとすると、タンパク質の合成量(下図の太線部分)の推移として適切なものはどれか。$\fbox{6}$
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