日本大学生物2012年第5問
生物の分類と系統に関する問い(問1~5)に答えなさい。
- 問1 種(しゅ)に関して誤りを含む説明はどれか。$\fbox{27}$
- (1) 種は生物を分類する場合の基本単位である。
- (2) 種がまとまってつくる上位の階級は属である。
- (3) 形態が違うことが異なる種であるという決め手となる。
- (4) 同じ場所に生存していても、種は他種と生殖的に隔離されている。
- (5) リンネは属名と種小名を組み合わせて種を表す二名法を確立した。
- 問2 生物の分類に関して誤りを含む説明はどれか。$\fbox{28}$
- (1) 原生生物界は単純な体制をもつ真核細胞生物である点で共通するが、多数の異なる系統群の生物を含む。
- (2) 原核生物界(=モネラ界)には、真正細菌類だけではなく、メタン生成細菌類のような古細菌類も含まれる。
- (3) ホイタッカーやマーグリスによって提唱された5界説によると、従属栄養の真核生物は動物界として分類される。
- (4) へッケルの3界説による植物界とホイタッカーの5界説による植物界とは同じでなく、菌類の扱いが両者で異なる。
- (5) 生物の系統関係を調べると、真正細菌類、古細菌類、真核生物はそれぞれ独立した分類群(ドメイン)とみなす説が提唱されている。
- 問3 コケ植物、シダ植物、種子植物の3群の植物について、系統類縁関係に関する正しい記述はどれか。$\fbox{29}$
- (1) 3群に共通祖先種がなく、それぞれが独立した祖先種から分化してきた。
- (2) 3群にとっての共通祖先種から、それぞれの群が独立して分化してきた。
- (3) 3群の共通祖先種からシダ植物と、コケ・種子植物の共通祖先種が分化してきた。
- (4) 3群の共通祖先種からコケ植物と、シダ・種子植物の共通祖先種が分化してきた。
- (5) 3群の共通祖先種から種子植物と、コケ・シダ植物の共通祖先種が分化してきた。
- 問4 三胚葉動物のDNAの塩基配列を比較すると、右のような系統図が得られた。この系統図が実際の系統関係を反映していると仮定すると、下の説明文中の( )内の語の正しい組み合わせはどれか。$\fbox{30}$
環形動物、軟体動物、袋形動物、それに節足動物の4群は、伝統的に形態や発生の類似に基づいて(a 旧口動物、b 新口動物、c 左右相称動物)と総称される。
他方、DNAなどの分子の解析結果は、棘皮(きょくひ)動物が他の4群と異なる系統群であること、そして、他の4群には二つの異なる系統群が存在することを示唆する。このことは、環形動物と節足動物に共通する(d 脱皮、e 体節構造、f 循環器系)や、環形動物、軟体動物、節足動物、それに棘皮動物に共通する(g 排出系、h 神経系、i 真体腔)は動物の系統関係を必ずしも反映しないことを意味する。
- (1) a・e・g
- (2) a・e・i
- (3) a・f・h
- (4) b・d・h
- (5) b・d・i
- (6) b・f・i
- (7) c・d・g
- (8) c・e・h
- (9) c・f・g
- 問5 問4で示された図の各動物群には同じ共通祖先から生じた姉妹の関係にある分枝の動物群(ア~ク)が右図のように想定される。形態・発生・分子などに関する現代の情報に基づくと、脊椎動物ともっとも近縁である分枝はどれか。$\fbox{31}$
- (1) ア
- (2) イ
- (3) ウ
- (4) エ
- (5) オ
- (6) カ
- (7) キ
- (8) ク