日本大学化学2013年第5問
糖の溶液である溶液1と溶液2について実験を行い、次のような結果を得た。図を参照して問1~問6に答えなさい。ただし、溶液1、2、および溶液A、B、C、Dの溶質はいずれも単一成分である。
[実験Ⅰ]溶液1に溶液Aを加えた試験管を90℃で15分加熱したものを溶液11とした。あらかじめ90℃で15分加熱した溶液Aを溶液1に加えて、90℃で15分加熱したものを溶液12とした。また、溶液1に溶液Bを入れ40℃で60分保温したものを溶液13とし、あらかじめ90℃で15分加熱した溶液Bを溶液1に加えて、40℃で60分保温したものを溶液14とした。溶液1と溶液14にヨウ素液(ヨウ素ヨウ化カリウム水溶液)を添加すると濃青色になったが、溶液11、溶液12、溶液13では薄い褐色になった。溶液11と溶液12に生じた単糖を分析したところ、ともに同じ単糖[ア]のみが検出された。
[実験Ⅱ]溶液2に溶液Aを加えて90℃で15分加熱したものを溶液21とし、溶液2に溶液Cを加えて40℃で60分保温したものを溶液22とした。溶液2はヨウ素溶液との反応を示さず、フェーリング液を還元しなかったが、溶液21と溶液22はフェーリング液を還元した。溶液21と溶液22に生じた単糖を分析すると、どちらも[ア]と[イ]が検出された。
- 問1 溶液1と溶液2に含まれている糖はそれぞれ、$\fbox{30}$と$\fbox{31}$である。
- 問2 単糖[ア]と単糖[イ]はそれぞれ、$\fbox{32}$と$\fbox{33}$である。
- (1)ラクトース
- (2)ガラクトース
- (3)セロビオース
- (4)セルロース
- (5)グルコース
- (6)スクロース
- (7)マルトース
- (8)フルクトース
- (9)アミロース
- (0)グリコーゲン
[実験Ⅲ]溶液Bに溶液Dを入れて40℃で60分保温した溶液を、溶液1に加え、さらに40℃で60分保温した溶液15にヨウ素液を加えると、液は濃青色になった。90℃で15分加熱した溶液Dを溶液Bに加えて40℃で60分保温したのち、溶液1を加えてさらに40℃で60分保温した溶液16にヨウ素液を加えると、液は薄い褐色になった。
[実験Ⅳ]溶液Aと溶液Cを混ぜて40℃で60分反応させたのち、中性にしてから溶液2と混合してさらに40℃で60分保温した溶液23はフェーリング液を還元しなかった。
- 問3 溶液Aと溶液Bにはそれぞれ、$\fbox{34}$と$\fbox{35}$が含まれる。
- 問4 溶液Cと溶液Dにはそれぞれ、$\fbox{36}$と$\fbox{37}$が含まれる。
- (1)アミラーゼ
- (2)プロテアーゼ
- (3)マルターゼ
- (4)セルラーゼ
- (5)希硫酸
- (6)ラクターゼ
- (7)インベルターゼ
- (8)水酸化ナトリウム
- (9)リパーゼ
- 問5 溶液Dの溶質について正しいのは、$\fbox{38}$と$\fbox{39}$である。ただし、解答の順序は問わない。
- (1)ヨウ素液で濃青色になる。
- (2)フェーリング液を還元して赤色沈殿を生じる。
- (3)ヒトの消化液には含まれていない。
- (4)銀鏡反応を示す。
- (5)室温で鉄やマグネシウムと反応して水素を発生する。
- (6)$(\text{C}_6\text{H}_{10}\text{O}_5)_n$という構造を持つ高分子化合物中のグリコシド結合を加水分解する酵素である。
- (7)ビウレット反応で赤紫色になる。
- (8)ほぼ中性条件でグリコシド結合を加水分解して、フルクトースを含む溶液を生じさせる酵素である。
- (9)ほぼ中性条件でグリコシド結合を加水分解して、ガラクトースを含む溶液を生じさせる酵素である。
- (0)ニンヒドリンを加えて温めると青紫色になる。
- 問6 溶液1の溶質の分子量が$6.48\times10^5$ならば、この分子はおよそ、$\fbox{40}.\fbox{41}\fbox{42}\times10^{\fbox{43}}$分子の単糖[ア]が脱水縮合してできたものである。ただし、$\fbox{40}$は一の位を、$\fbox{41}$は小数第一位を、$\fbox{42}$は小数第二位を示すものとする。
例 質量が1.4gの場合、$\fbox{0}$$\fbox{1}$.4gであるので(0)(1)をマークする。
<$\fbox{40}$~$\fbox{43}$の解答群>- (1)1
- (2)2
- (3)3
- (4)4
- (5)5
- (6)6
- (7)7
- (8)8
- (9)9
- (0)0