日本大学化学2012年第1問

次の問1~問6に答えなさい。
  • 問1 次の元素の説明文について正誤の正しい組み合わせは、$\fbox{1}$である。
    • ア $\text{C}$、$\text{N}$、$\text{O}$、$\text{F}$、$\text{Cl}$のうち、電気陰性度が最も大きいのは$\text{Cl}$である。
    • イ $\text{H}$、$\text{Li}$、$\text{Na}$、$\text{K}$のうち、第一イオン化エネルギーが最も大きいのは$\text{H}$である。
    • ウ $\text{C}$、$\text{N}$、$\text{Cl}$、$\text{Ar}$のうち、化合物を最も作りにくいのは$\text{Ar}$である。
    • エ $\text{O}$、$\text{Ne}$、$\text{Na}$、$\text{Si}$、$\text{Ca}$のうち、価電子数が最も多いのは$\text{Ne}$である。
    • オ $\text{O}$、$\text{F}$、$\text{Na}$、$\text{Mg}$、$\text{Al}$が安定なイオンになったとき、イオン半径が最も大きいのは$\text{O}$のイオンである。
     
    (1)
    (2)
    (3)
    (4)
    (5)
    (6)
    (7)
    (8)
    (9)
    (0)
  • 問2 ハロゲンおよびハロゲン化合物の性質について次の文で誤りを合むのは、$\fbox{2}$である。
    • (1) 臭素は常温で液体であり、塩素は常温で気体である。
    • (2) ハロゲン原子は7個の価電子をもち、電子1個を得て1価の陰イオンになりやすい。
    • (3) ハロゲンの単体は、有色・有毒の物質で、原子番号が大きいほど融点や沸点が高い。
    • (4) 臭素は水に少し溶けるが、フッ素は水と激しく反応して酸素を発生する。
    • (5) 臭素は水素と高温で反応するが、塩素は水素と常温で光により爆発的に反応する。
    • (6) ハロゲンの単体の酸化力は、$\text{F}_2\gt\text{Cl}_2\gt\text{Br}_2\gt\text{I}_2$の順である。
    • (7) ヨウ素は常温で昇華性をもつ黒紫色の固体で、ヨウ化カリウム水溶液に溶けて褐色の溶液となる。
    • (8) 塩素水中には、塩化水素と塩素酸が存在する。
  • 問3 次の文で誤りを含むのは、$\fbox{3}$である。
    • (1) $\text{Ag}^+$を含む水溶液に硫化水素を加えると黒色沈殿が生じた。
    • (2) $\text{Ag}^+$を含む水溶液に塩化物イオンを加えて生じた沈殿に光を当てると黒くなった。
    • (3) $\text{Ag}^+$を含む水溶液にヨウ化ナトリウム水溶液を加えると黄色い沈殿が生じた。
    • (4) $\text{Ag}^+$を含む水溶液に少量の水酸化ナトリウム水溶液を加えると暗褐色沈殿が生じたが、さらに過剰の水酸化ナトリウム水溶液を加えると沈殿が溶けて無色に変化した。
    • (5) $\text{Ag}^+$を含む水溶液に塩化物イオンを加えると白色沈殿が生じたが、さらに過剰のアンモニア水を加えると沈殿が溶けた。
    • (6) 臭化銀にチオ硫酸ナトリウム水溶液を加えると溶けた。
  • 問4 次の文で誤りを含むのは、$\fbox{4}$である。
    • (1) 酸化マグネシウムや酸化カルシウムは融点が極めて高く、耐火レンガの原料となる。
    • (2) カルシウムの硫酸塩は水に少し溶けるが、バリウムの硫酸塩は水に不溶である。
    • (3) 水酸化バリウムは水に不溶である。
    • (4) 炭酸マグネシウムは水に溶けにくいが硫酸マグネシウムは水に溶ける。
    • (5) バリウムイオンは黄緑色の炎色反応を示す。
    • (6) カルシウムの単体は常温で水と反応するが、マグネシウムの単体は熱水にしないと反応しない。
  • 問5 金属の結晶格子について次の文で正しいのは、$\fbox{5}$と$\fbox{6}$である。ただし、解答の順序は問わない。
    • (1) 面心立方格子は体心立方格子よ り配位数が少ない。
    • (2) 六方最密充填(六方最密構造)の単位格子は六角柱構造である。
    • (3) 面心立方格子と六方最密充填(六方最密構造)の単位格子内に存在する正味の原子数は同じである。
    • (4) 体心立方格子は配位数が少なく、金属原子は単位格子の中に正味4個存在する。
    • (5) 面心立方格子の配位数は六方最密充填(六方最密構造)と同じ配位数である。
    • (6) 体心立方格子の一辺の長さを$a$とすると、中心金属原子の中心は格子の頂点から$\sqrt{2}a$の距離にある。
    • (7) 面心立方格子では各面に存在する原子のみを合わせると、格子内に正味2個の原子が存在するとみなせる。
    • (8) 六方最密充填(六方最密構造)の正六角柱の構造に正味8個の原子が存在する。
    • (9) 六方最密充填(六方最密構造)中の1個の金属原子のまわりに12個の原子が存在する。
  • 問6 ケイ素とその化合物について次の文で誤りを含むのは、$\fbox{7}$である。
    • (1) ケイ素は二酸化ケイ素やケイ酸塩と して岩石や土壌を構成し、地殻中で酸素の次に多く存在する元素である。
    • (2) 二酸化ケイ素の結晶は共有結合の結晶で、無色透明である。
    • (3) 水晶、石英、ケイ砂の主成分は、二酸化ケイ素である。
    • (4) 水ガラスは二酸化ケイ素に水を加えて加熱したもので、粘性の高い透明な液体である。
    • (5) 陶磁器やセメントなどのセラミックスは、ケイ酸塩を主成分とする粘土を高熱処理して作られる。
    • (6) ケイ素の単体は自然界に存在しないが、ケイ砂を電気炉中で溶融し、炭素(コークス)を用いて還元すると得られる。